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第5話 真冬の怪奇?(2)

 自分自身の背筋を凍らせながら畏怖。恐れ慄いていることを誤魔化すようにね。

 だって、今は冬、夏場ではない。ないのだから。【お化け】なんてないさ、ウソさ、出ないさ。今は冬場、夏場ではない。

 だから僕自身の背筋が凍り付く程の畏怖は、冬の乾燥をした風。木枯らしからくる寒さと冷たさで震え慄いているだけなのだと。

 僕自身が訳解らないことを、己に言い聞かせながら。何とも言えない冬の寒波の中の木枯らしの音に混ざる金属を無視、素知らぬ振りをしながら作業を進め、おこなう、だったのだ。


 ◇◇◇◇◇


「いや〜。それにしても~? 今日は本当に寒い~。寒いなぁ~。僕の周りも本当に暗く。周りが見えない~。確認ができないから~。早く片付けよう~。そして帰ろう~。帰ろうか~?」と。

 僕自身が独り言……と、言う訳ではない。自分自身に言い聞かせると、いうか?


 己の気を奮い立たせるように鼓舞。言い聞かせているのだよ。

 だってさ?


 先程から僕の耳……。両耳に僅かに聞こえていた金属音──。

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