第4話 夏の夜は畏怖するが、冬の夜は何故か?(2)
〈ガサガサ〉
〈ガサガサ、ガタン……〉
〈ガサガサ〉
……ん? 風かな? 風の音? 草木の葉が揺れ、隣の葉に当たり、擦れ。ザワザワと騒めく音だろうか? と、僕自身が脳裏で思えば。風が出た。出てきたのだろうか? と、思案を始めだす。
「ううう~、寒い~。寒い……」と。
僕はまた独り言を嘆き漏らし。そして終えれば、また沈黙、黙々と作業を始め、こなし続けるのだ。
う~ん、でも? 僕は作業を続けながらあることを思う。
今と、いうか? 先程僕の耳に聞こえてきた風の囁き、というか? 風が強まることで生じる、草花、ゴミ、砂などが騒めき始めて生じる自然の音なのだが。
この自然現象でできた風の騒めき音も。この時期。真冬の夜、漆黒の闇の中で己の耳で聞いても。これと言って、あれ? 風がでてきた? でてきたのかなぐらいしか、僕自身も思わない程度で終わるのに。
これが真夏だと?
『えっ? 今の風? 風の中から聞こえてきた騒めきは何? 何からでた音?』と。
「……も、もしかして、出た? 出たかも知れない? お化けが~?」と。
僕自身も恐怖に怯え、畏怖しながら思い。思い続けながら作業──商品等の片づけをおこなう筈なのに。
何故か? 真夏ではなく。真冬だと余り恐怖を感じない。と、いうか? 全く感じないのは何故だろう? と、僕はこんなくだらないことをふと思ったのだ。
これも? 僕自身何故だかわからないけれどね? 取り敢えずは思った。
また、こんなくだらないことを思いながら後片付けをおこなう僕だった。
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