第4話 夏の夜は畏怖するが、冬の夜は何故か?(1)
「ふぅ~」と。
声を漏らし漆黒の暗闇の中を辺り。と、いっても? 僕の足元だけれど。ぐるりと見て確認──。
「まだまだ、沢山残っているな……」
と、独り言を呟き。
これだと? 未だ片付けに時間がかかりそうだと、己の心の中で思う僕──。
「よいしょ、っと、では始めるか~。ぼぉ~っとしていたら。片付けが進まない。進まなければ。僕の帰宅の途──。帰りがいくらでも遅くなるから片づけを始めよう……」と。
僕は一人寂しく、この闇の中をまた凝りもしないで独り言を明るい声色で、自分自身に言い聞かせるように呟く。
そう、呟き、言い聞かせるように嘆くのだ。
う~ん、それにしても? 本当に真冬の夜は、寒い。冷たい。身体の芯まで冷え込み、手足と共に悴む、悴むな、と思いながら。
誰もいない部屋──。
まあ、僕が気ままな一人暮らしをしている賃貸のアパートの部屋だけれど。独身、彼女も今はいない僕だから。部屋には僕の帰宅の途を待つ者など誰もいない状態だから。この場とかわらない漆黒の闇、暗闇と言う奴に覆われた部屋だとしても。僕は早く帰宅の途につき部屋に入り。お風呂に水を溜め湧かし、だけではく。
こたつに石油ストーブを点火して、己の身体を早く温めたい衝動に駆られる。
まあ、駆られると「はぁ~」と、また溜息。
その後は、「よし! 頑張ろう!」と、自然と僕の口から声が漏れ、また作業を再開。黙々と始めだすのだ。