まずは情報収集
「お茶会までにはまだ時間はあるわね、だとしたら……」
色々考えて考えて脳味噌をフル回転させた結果
「やっぱり敵を知る事が大切よね、まずは情報収集よ」
私は早速机に向かい便箋を取り出し書いた。
「お呼びでしょうか?」
「悪いけどこの手紙をポストに出してくれない?」
「かしこまりました」
それから数日後、
「メリアナ様、本日はお招きありがとうございます」
「お体の方は大丈夫ですか?」
「リアンナ様、メイシェル様、来ていただいてありがとうございます」
私の家に2人の令嬢がやって来た。
リアンナ・ドルジュとメイシェル・カンダール、私の友人である。
2人の家は男爵家ではあるが昔から仲良くしている。
「さて、挨拶はこれぐらいにして此処からはプライベートの話になるわ」
「じゃあ素で喋って良いのね」
「やっぱりこっちの方が楽だわぁ。お嬢様言葉って堅苦しくて好きじゃないのよね」
2人はすぐに貴族令嬢の仮面を脱いだ。
これが2人の素なのだ。
端から見れば公爵令嬢に馴れ馴れしくしているのはマナー違反であり卒倒物だろう。
しかし私は理解してるし許可しているので全く問題ない。
「今回呼んだのは他でもない。王家のお茶会に関してなんだけど」
「メリアナの所にも来たの?」
「と言う事は2人の所にも?」
「家にも来たわ、男爵家なんて普段は相手にされないのに珍しい、って両親とも話していたのよ」
どうやら同世代の貴族令嬢に招待状が来ているらしい。
「で、どう思う?」
「私は王太子様の花嫁探しだと思うわ」
「うん、お見合いだと思うわ、だけど肝心のリチャード様は乗り気じゃないみたいよ」
「それは他に好きな人がいるから、と言う事?」
「それは違うと思うわ。リチャード様はかなり評判がわるいみたいよ」
「評判って?」
「性格がかなり悪い、て。ちょっとした事で怒鳴り付けたりするしワガママを言ってメイドや執事達を困らせたり泣かせたりしてるみたいね」
やっぱりこの2人を呼んで正解だ。
リアンナとメイシェルはこういう情報をたくさん知っているのだ。
何故、そこまで知っているのか、と聞きたい部分もあるけどはぐらかせたりするので細かいことは気にしない様にしている。