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第1話 ちょっと長い前置きは、ある日の夜 (4)

 だってさ? 僕の指先なんて軍手をはめているにも関わらず。己の指先がかじかんで仕方がない。感覚だって麻痺しかけているほど冷たい。

 僕の指先がジンジン、チクチクする。して仕方がないくらいにね。

 だから僕は早くこの場にある商品や荷物を片づけ終わらせて──。

 僕のパートナーであるボンゴエアロカスタム仕様に荷物を詰め込み載せ終えてエンジンをかけ──社内のヒーターで自身の体を暖めて温もりたいのだ。と、思う程に、今の時期の日暮れ後は、詰めたくて致し方ない。

 特にこの辺り?


 そう、この農協の購買部がある場所は、広島県でも県北にあたる、中国山地内の山に雑木林に囲まれた大変に静かで。春や秋にも四季折々の田園風景が見て確認、堪能できる、大変に綺麗でのどか場所、町だけれど。


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