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中に入ると、室内は豪華絢爛と言うよりは、落ち着いていて、心休まるような部屋だった。

そして、その部屋に、
窓の外を眺めている人物がいるのだ。

「失礼します、フウマ様。
お話されていた通り、お連れしました」

ハヤテがそう言い終えると、
先程まで窓の外を眺めていた人物は、此方へと振り返った。

緑色の髪

ふわりと優しく微笑み

そして、

「ありがとう。ハヤテ、カザハナ」

輝くような金色の瞳

「君達も、来てくれて感謝するよ。
本当にありがとう」

この男こそ、風の国の長
“フウマ”なのだ。


「改めて、自己紹介……と、言いたい所だけど、僕の事知ってるよね」

フウマは、ハハッと笑いながら、話を続ける。

「勿論だけど、僕も、君達の事も知っているよ。
詳しい事は、カザハナやハヤテから聞いたけどね」

優しく話すフウマに、先程まで緊張していたヒナは、少しずつ緊張が緩んでいった。

「あ、あの、フウマ様。
私達に、その、依頼とはいったい、何でしょうか」

「ああ、その事なんだけど……」

ヒナとサクヤは、謁見する日時などは知っていたが、肝心の依頼内容については、まだ聴かされていなかった。

その為、依頼内容について、
フウマ本人に尋ねると、

なんと、それは、
自分達が想像していた以上の依頼内容だったのだ。

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