②
中に入ると、室内は豪華絢爛と言うよりは、落ち着いていて、心休まるような部屋だった。
そして、その部屋に、
窓の外を眺めている人物がいるのだ。
「失礼します、フウマ様。
お話されていた通り、お連れしました」
ハヤテがそう言い終えると、
先程まで窓の外を眺めていた人物は、此方へと振り返った。
緑色の髪
ふわりと優しく微笑み
そして、
「ありがとう。ハヤテ、カザハナ」
輝くような金色の瞳
「君達も、来てくれて感謝するよ。
本当にありがとう」
この男こそ、風の国の長
“フウマ”なのだ。
「改めて、自己紹介……と、言いたい所だけど、僕の事知ってるよね」
フウマは、ハハッと笑いながら、話を続ける。
「勿論だけど、僕も、君達の事も知っているよ。
詳しい事は、カザハナやハヤテから聞いたけどね」
優しく話すフウマに、先程まで緊張していたヒナは、少しずつ緊張が緩んでいった。
「あ、あの、フウマ様。
私達に、その、依頼とはいったい、何でしょうか」
「ああ、その事なんだけど……」
ヒナとサクヤは、謁見する日時などは知っていたが、肝心の依頼内容については、まだ聴かされていなかった。
その為、依頼内容について、
フウマ本人に尋ねると、
なんと、それは、
自分達が想像していた以上の依頼内容だったのだ。