20章 念願のマイホーム
ダンジョンから戻ると、1ヵ月以上が経過していた。
] 念願のマイホームは完成していた。これで、自分の家に住めるようになった。
お金をかけたとあって、ピカピカのつるつるだった。住むのが勿体ないと思うくらいの輝きを放っていた。
家の前には、契約時の女性が立っていた。
「アカネさん、家が完成しました」
「とってもきれいな家ですね」
「はい。いつも以上に気合を入れて、建てることにしました」
3億ゴールドとは思えない完成度だ。アカネは大満足なので、家建て名人に特別報酬を渡そうかなと思った。
「ダンジョンでお金をゲットしたので、特別報酬をさしあげます」
アカネはダンジョンで入手したお金の中から、3億ゴールドを渡すことにした。
「こんなにいただけるんですか」
「私は大満足です。対価としてお受け取りください」
仕事の付加価値については問題ないといっていた。今回は寄付ではなく、正当なお金とみなされる。
「ありがとうございます。これで、生活は安泰です」
一ヵ月あたりの生活費は20~30万ゴールド。これだけのお金があれば、80年以上は、働かなくても生きていける。
「借金ができない街なので、家を建ててくれる人がなかなかいません。家を建てたとしても、材料費、人件費で80パーセントは飛んでしまい、手元に残るお金はわずかです。家建てだけでは生活できず、出稼ぎに行っている状態です」
一軒だけを建てたとしても、大きな利益にはならないのか。家建て名人の苦労が伝わってくるような気がした。
「アカネさん、今後ともよろしくお願いいたします」
家の施設の完成度が高ければ、追加でお願いすることになる。彼女がさらにいい生活を送れるのかは、家の出来次第だ。