食い違い
「借りてきたよ」
「………」
「………」
「何で彼女がいるの？」
「加勢をしに来たら終わってました」
「そう……」
「話戻るけど使い方はどうするのかは分かる？」
「なんか、円を描いたら穴が出てきた」
「もしかしたら場所分かってないと使えないかもしれないから氷川君お願い」
「……」
「イルカさんどうしました？」
「そんな憶えてない……」
「じゃあ私が」
「ありがとうニーナ」
障壁の周りを囲み、オスクウェまで飛ばし穴が消えた事を確認して隠者の能力を解除し、その後累も節制の能力を解除して月に戻すと、三人の身体が少し痺れて重くなった。
「ねぇ、氷川君何したの？」
「節制を借りて使った」
「コレじゃあ残り時間キツイですって……」
「ごめん……」
「後の事考える余裕なんて有るわけないから謝らなくて良いよ。 しかも今回大きな問題が出来たみたいだしね」
「相手が瞬間移動能力を持ってる事？」
「えっ？ 誰ですかこの声？」
野原の問いかけに反応すると同時に氷柱を声のした方向に少しズレた所に放つも、相手はその氷柱を掴んだ。 相手の姿は今にも砕け散りそうな鎧を見に纏っていた。
「質問じゃなくて牽制ね」
「誰だい君」
「君たちが侵略しに来てる所を、今まかされてるモノだ」
「最初に侵略をしてきたのは貴方達でしょう‼︎」
「は？ 元から僕らが居たところの外側に勝手に世界を作って勝手に喧嘩売ってきたのはソッチだろ？ 僕達は数十年から居た。 同じパッと出だけど二桁もない君達が勝手に攻めてくるなんて、そんな縄張りが欲しいの？」
「え？ え？」
「食い違いがあるみたいだね」
「未来にもオスクウェは有りますが、ソコに貴方達が居たと言う形跡は有りません。 貴方は嘘つきですね」
「未来？」
「未来ってどう言う事ですか？」
「未来？ …… あー でもそんな事 僕達の居るところに島が被った？ ソレで僕らは上書きされず、いや、そのオスクウェって所と一つになった？ にしては変化が うーん……」
「何を訳の分からない事を 降りてきなさい」
「嫌だね。彼が帰ってきたから様子見に来て、そんなに還って無かったから僕は侵略理由を聞きにきただけで」
「ちょっと質問二つ良いかい？」
「何？」
「倒したら消える理由教えて欲しいんだけど」
「自然に返って進化を促してるだけ」
「じゃあ二つめ 何で力を分散させてるんだい？」
「知らない。そしてその事彼と話す時間は無い。彼は人間が嫌いなんだ。 力を独り占めしようとした人間が」
「独り占め？」
「喋りすぎたかも じゃあね 縄張りが欲しいなら来るといい 取り戻しても無駄だろうからさ」
そう言うと彼は穴を開けて何処かへ行ってしまった。
