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使い

ーーオスクウェ島 最深部

「何故見てるだけだったんだ?」
「要らないと思ったから 正直斬滅に拘らなかったらもうちょいどうにかなったんじゃ無い? 同じ事をしてもう来させない様にしようとしたのはいいと思うけど」
「理由が違うが 野生脳のお前には言ってもわからないだろ」
「記録から生まれた物同士なのに何で分からないのかな」
「知らん」

人形の機械は遠くを見つめながら

「なぁ もしもの話なんだが 相手が不可侵の約束を提案したきたらどうする?」
「受け入れる様に見せて、殺す」
「ソコは同意見なんだな」
「何度も彼が騙されてるの知ってるからね。同じ轍を踏むのは今までの僕らももう飽きてるでしょ。 ソレにそろそろ絡め手以外で何とかして欲しいよ」
「真正面から何も考えず叩き潰しに来た奴は少し引く。 いや、正気を疑う。俺たちの何倍も強いぞ」
「ソレが彼の望みでもあるんだからしょうがないでしょ 今回は無知の方だし 案外やってくれるかもよ」

「集まりって何やってるんだろうね」
「さぁな 管理者たちとの折り合いの付け方や対策とかじゃないか?」
「あーそっか でももう結構経つよ」
「話し込んでいるんだろう。もう話す事は無いだろうし、持ち場に戻る」
「じゃあね」

人形の機械が消えていく所を見た後、虚空に向かって睨みつけながら脆い鎧は問い出した。

「留守のうちに皆殺しって何考えてんの? 今まで放置だったでしょ」
「実力から見て君は倒さなきゃいけないって思ったからね 多少削っておこうかなって」

虚空から現れたのは丸まった角を生やした白いウールに身を包んで大きな棍棒を持った者が現れた。

「倒すじゃなく、削る? 利用するのは良いけどさ、そんな話聞いてないよ。コッチにも準備とか場所とかあるからさ、僕らの事は知ってる筈だよね? 獣人」
「……」
「まぁ良いや その思惑 乗ってあげる
命を賭して来るといい」
「そのつもりだよ」

脆い鎧は初手に膝蹴りをした。 すると何処からか音が聞こえたので、少し距離を取り、相手の様子を見ていると獣人の持っている棍棒の中に何か音のなる物が入っている事に気づいた。 起きあがった獣人は大きく棍棒を振り回しながら攻撃をしていたが全て回避し、隙を見て顎を蹴り上げると相手は気絶した。

「……よっっわ 何でここまで来れたんだコイツ? 話し合い系の使いだったのか? いや、他に護衛みたいなのも誰も居ないし、何だったんだコイツ」

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