怪しい
船に乗る乗らないの議論中にいきなり累は黒い空間に戻された。
「おかえり。どうだった?」
「………改めて思い返すと情報が多すぎて何から話せば良いのか分からない」
「断片的でも良いよ」
入った後から恐らくいると思った情報を少しずつ言い、そして同時に頭の中を整理していった。
「ルーアにアグリが。ね」
「知り合いだったのか?」
「そっちの方は知らないけど、そっかって、あのままの未来はそんなオチなんだって」
「アレが、未来か」
「と言っても別の未来みたいなんだけどねアレ。協力者の言葉借りるなら、あの世界の過去をそのまま取り出して作った世界がココ。らしい。累を除く」
「何で俺を除く?」
「初めて自分の事を肯定してくれた人を簡単に忘れると思う?」
良い方向に向かってるって思っておこう
あんな最後にさせないように
「今回はソレくらいで大丈夫だから、じゃあ又数日後」
ーー
「シェリーちょっと質問いい?」
「何?」
「シェリーの許可なく通ろうとしたら弾かれるんだよね」
「うん」
「他に何かルールみたいなのある?」
「通ろうとしたのは最近移動させた所へ飛ぶって言うのはある」
「……未来の自分に会いたい?」
「…… ちょっとは」
「準備ができたら言ってね、戦う事になるかもしれないから」
「どういう事?」
「さっきの言葉で未来の方の貴方と会えるかもしれないって事、コレは能力に頼らないといけないと思うけど」
「場所分かったところで入れない」
「コレは試してみないと分からないよね。数多ある能力に賭けるしか無い訳だし」
「だれも私の意思以外じゃ入れないのに?」
「どうせだし、賭ける?」
「良いよ。何賭ける?」
ーー
累が部屋に戻され少し沈んでいるとベルが勢いよく扉を開けて焦った様に入ってきた。 少しビクつくも、すぐにいつもの調子に戻った。
「思い出した事があるんですけど良いですか‼︎」
「何だ思い出したことって」
「別の場所に移動するのは避けてください‼︎ 多くの人が死にます‼︎」
「そう言う事はもっと早く言いやがれ‼︎」
「ごめんなさいヘリスと透明な人のことで頭が一杯だったんです」
「で、いつか分かるか?」
「えっと……」
「おまえな……」
「何の話してるの?」
「気にしなくて良い」
「何か企んでる?」
「気にしなくて良いって言っただけで?」
「普通に怪しいから、後代わりになりそうな言葉調べちゃダメだからね」
「俺そんな怪しいのか……」