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時は流れどあまり変わらない日常

 まだまだ未熟とはいえ、これから魔道具もどんどん発展していくことだろう。
 そういったことを確認したれいは、次は戦士達の様子を確認してみる。前回の調査から時間が経ったうえに、最近まで魔物との戦いもあったので、前回から十分に成長していることだろう。
 そう思いながら各大陸を回って戦士達の強さを確認していく。ついでに魔物の強さも同時に確認した。
 確認がてら、れいは戦士達の動きも見てみた。れいは絶対的ともいえる強者なので、戦いに技術は必要ない。腕を振るまでもなく、相対しようとするだけで相手が勝手に消滅してくれるほどに絶対的な存在なのだから。
 故に、弱者の用いる戦いの技術というのに少し興味が惹かれたのだ。涙ぐましい努力というのは、やはりれいとは無縁なモノだから。
 そうして戦力調査と共に、戦闘技術も観察していく。例えば武術だと、体重移動や目線などの虚実交えた戦いというのは中々に面白い。れいはそんな駆け引きなどしたことが無かったので、それはいつ見ても新鮮であった。
 他にも事前の準備や盤外戦術なんてものもある。魔法だって本命を別の魔法に隠したり、魔法を行使すると見せかけて注意を引いたりと面白い。
 そういった戦いの技術も学びながら、れいは現在の人の能力を測っていく。同様のことを魔物にも行ってみて、れいは現在の人と魔物の差を確認した。
 それによると、数や質などを考慮してほぼ拮抗状態のようだ。人の魔法陣と魔物の記号紋章の今後の発展如何によってはまた勢力に変化が起きるかもしれないが。その前に、記号紋章が魔物達の間にどれだけ広がるのかも問題か。
 一通り確認を終えたところで、れいは北の森に来てみる。
 北の森に人が入るようになって結構な時間が経つが、未だに森全体の探索は終わっていないようだ。それでも、フォレナルの家まで辿り着けた者が少しは居るらしい。雪山については全く探索が進んでいないとか。
 人側の森の出入り口に近い関係で人との交流があるフォレナーレに関しては、色々と凄いことになっていた。まず、フォレナーレの家だが、主座教から聖地に指定されていた。まぁ、実在する神が住まう場所なのでそれも当然なのかもしれないが。
 次にフォレナーレ自身についてだが、何故か聖女が聖女になった時にそれを報告しに来るようになったらしい。最初は聖女を選ぶ役割を頼まれたらしいが、それを断ったらそうなったとか。後は時折聖女に連れられて、信者が聖地巡礼にやって来るらしい。
 どれもフォレナーレと最初に交流を持った聖女に由来しているらしいが、フォレナーレはそれらを少し面倒に感じているようだ。もっとも、だからといって家を放棄して何処かに行くわけにもいかないし、今更人を拒絶するわけにもいかないので、面倒だと感じてはいても役目を放り出さないようだが。
 その辺りを報いるためにも、れいはフォレナーレの家に足を向ける。
 家を訪ねると、いつもの問答を経て、まずは報告を受ける。その後で褒美を渡す。今回は長い間人との交流を維持し続けている褒賞として、褒賞用の果実を渡した。前回渡した武具は家に飾られているだけで、誰かに下賜したとかはないようだ。
 その辺りは貰った者の自由なので、れいは何も言わない。現状では少し性能面で価値が落ちているようなので、れいは後で手持ちの褒賞用の武具に少し手を加えておくことにした。
 褒美を渡した後、雑談を行う。報告するほどではない話など、些細な出来事はここで知ることになる。内容は聖女や教会関連が多かったが、人との関係については良好のようだ。
 そうして話が終わると、れいはフォレナーレの家を後にする。
 フォレナーレに見送られながら外に出ると、次にれいは魔木のところを目指した。折角だから褒賞用の武具の性能についても改めて相談しようと思いながら。

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