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命の骨

 累は正義の能力で周りの骨達に視界を移しながら、敵の少ない所まで正義の剣と斥力を使い、敵の数が少ない所から突破しようとした。 しかしソレは敵の罠だった。累は敵の術中に嵌り、周りに転がっていたバラバラだった筈の骨達が一斉に再生して囲い込まれてしまった。 累は周りを見ながら考えて、剣を一度下ろした。 敵はじわりじわりと少しずつ、少しずつ間合いを詰めてきた。累は敵を間合いのギリギリまで引き寄せ、剣の間合いに入ると同時に、斥力で上に飛び、ソコから氷の壁で微調整して、武器を剣から棒に変え、船長擬きに強烈な一撃を叩き込んだ、すると、船長擬きの上半身の骨は頭蓋骨と左腕を残して砕け散った。

「良し、コレで終わり」
「氷川避けろ‼︎」

 浩二の声を聞くと同時に、累はさっき倒した筈の船長擬きに刺された。致命傷は浩二の命令で避けれたが、その際体勢を崩し、敵はもう一度心臓を刺そうとするが、累は咄嗟に手を斥力で弾き出し、カットラスを手に貫通させ、少し動揺した所で斥力で強制的に体勢を戻して、船長擬きを蹴り、距離を取り、傷を凍らせた。

 「嘘だろ、何で生きてる?」

 上半身がなくなった筈だぞ、アソコで死なねぇなら、弱点が何処かに有るのか? 例えば頭とか。

 カットラスを引っこ抜き、船長擬きに斥力で一気に距離を詰め、頭を掴んで奪い、棒で壊すも、何ごとも無いようだった。ソレどころか頭を壊している間に他の骨達も繋がりあい、巨大な一つの人型の怪物となっていた。

「おい、人間相手での耐久勝負なら負ける自信はそんなに無いが…… ガシャドクロ擬きに勝てる自信、流石にねぇって……」

累が頭の中で色々考えていると、軽快な声が背後から聞こえた。 その声を聞くと同時に累は考えても解決しないと、考える事を諦めた。 そしてガシャドクロ擬きも攻撃を始めた。 巨大な手や骨を打ち込み攻撃、そして、骨達も攻撃の手を緩めなかった。

「ヤッホー 大丈夫?」
「やっぱお前だったかニーナ」
「敵強そうだね」
「正直全くと言っていい程勝てる気がしない」
「私入れても?」
「体力が絶対続かない、骨が多過ぎる」
「なら、先ずはテキトーに壊したらどうですか? 短縮出来ますよ」
「貴方誰?」
「初めまして、心って言います」
「私はニーナ、よろしく」
「短縮出来るってどういう意味だ?」
「もしあの身体に核の様な物が有るなら、その付近に近づくにつれ、再生速度は多少早い筈です」
「無くなった骨は別の所の骨で代用してるから、ヒビ割れを狙うか」

累とニーナは氷を周りに作り、累はテキトーに前から、ニーナは瞬間移動しながら他の箇所を心の視界に入る場所を攻撃をした。 すると、刺さりヒビが入るが、すぐさま身体から氷の刺さった骨が抜け落ちた。

「位置は少し右側の位置が落とすの早かった。 多分位置は時計のニと三の間で、針は短い針辺り」
「大体分かった 後、動きながら考えたが、骨同士だ、その位置の骨を壊してる時、核となる骨が移動しないとも限らないし。 命の骨とかそんな名称の言葉どっちか知らねぇか? ソコを集中して壊せば多少は早くなるだろ」
「仙骨って言う三角形の骨がそう言われてるって姉さんから聞いた事は有ります」
「分かったありがとう、三角だな」

累は集中しながら仙骨を探した。多くの骨がある中で、集中して、複数ある内のどれが本物か考えながら探していた。その時、両眼が薄い紫に変わっていた。そして、一つ、まるで発光している様な三角の骨を見つけ、ソレが本物だと信じ、最高威力の斥力で自分を飛ばし、刃が薄い紫になった剣で、核となる仙骨を力いっぱいぶった斬った。

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