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思い込み

「運が良いのか悪いのか分からないな、氷川の奴とリュート以外はココに揃ってるが」
「二人は恐らく一緒だろう、リュートが投げ飛ばされた時に真っ先に向かって行ったんだ」
「骨達はもう居ませんよね……」
「俺の命令で海に飛び込んだからな、意思の様なものは小さいんだろうな」

浩二は前に無機物に命令出来るか二度ほど試しており、一度は能力の上限を測る為、二度目は累との戦いの途中に強く命令したが、両方とも全く動かなかった。その経験から能力が強化されてるとも知らずにそう発言した。 心は累を嵐の注意深く空から探していると、何処か近くで大きな雷が降り、ソレと同時に一時的に浩二と心の身体は少し透けた。

「ギャァァァァア」
「レン、大丈夫か?」
「無理です……」
「まさかさっきの雷直撃でもしたか⁉︎ 運悪過ぎだろ 心‼︎」
「分かった‼︎」

心は雷が落ちたであろう位置から魚人に変わり、超音波で探しつつ海流に乗りながら何とか累を捜し当てた。 そしてリュートも一緒に探すが、見つかる事は無かった。 途中で累を目を覚まし、リュートは外へ出た事を告げ、心は安心して浩二達の元へ戻った。

「雷当たるとか宝くじ当たるんじゃねぇの氷川」
「災難だな累…… ウチの故郷も秋とか雷多いけど、当たる奴なんて、そうは居ないぞ……」
「雷落ちたにしては服綺麗だな」
「俺だって雷に当たる想像したら雷に当たるなんて予想外過ぎる事起こって困惑してる、下手したら又落ちたり……」

累が発言の途中、雄介は累を引っ張ったが、二人とも雷の餌食となった。そしてレン含め三人は気絶した。 そして浩二達は又消えかけた。

 「コイツ、アレか? 今日が人生至上最悪の日か、何か、か?」
「能力か何かだったり……」
「想像した事を引き起こせるとか生き残ってなきゃおかしいだろ」
「そうだね、勝てる気がしない」

 浩二は「起きろ」と命令し、累達を起こした。

 「氷川、今は質問以外何も考えるな、氷川、今使ってる能力何だ?」
「借りてるのは、隠者と正義」
「隠者って、思い込み、と、障壁、だよね、正義は確か、真実、と、複数の視点、とかだった筈」
「まさか自分に関する思い込みのせい、とかか?」
「何でだよ……」

 浩二は少し考えて能力を使った。「燃えろ」と、そう皇帝が命令すると身体は燃えた。

 「熱⁉︎ ちょっ、えっ? どう言う事⁉︎ 熱いって」
「珍しい反応だな 消えろ」

 すると炎は消えていったが、服はそのままだった。

 「思い込みで怪我をするって話は聞いたこと有るが、コイツは相当な、マイナスに考えたらダメなヤツだな」
「テメェ一発殴って良いか?」
「殺された仕返しって事にしといてくれ、後確認の為とは言え悪かった」

 そう話していると、何処からか船が激突し、ソコから骨達が乗り込んでくると同時に、中に居た骨達も一緒に出てきた。 船長擬きに気をとられていると、船の中から骨達が、船の外から浩二が命令で落とした数以上の骨達が船をよじ登り、甲板へ上がってきた。 

 「おい、たしか、吸収、とかするんだよな」
「早く倒した方が良いんだろうけど、上がってきたよ不死身が」
「今からでも良いから氷川お前、恋人使って、増えないか?」
「もう三つ使ってる」
「累、なるべく早く頼むぞ」
「そうする予定だ」

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