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圭輔の独占欲

BBQの日から数日後、日向の仕事が終わると圭輔からLINEが入っていた。

『今日家行くから』

相変わらずこっちの都合は無視だな…
と少し呆れながらも日向はまっすぐ家に帰っていつ来るかわからない圭輔を待った。

圭輔は仕事が終わってすぐだろう時間に家に来た。

チャイムが鳴ってドアを開ける。

「はー…疲れた~」
と言って圭輔は日向をギュッとした。

「お腹すいてますか?なんか食べる?」
日向が聞くと
「食べる。仕事終わってすぐ来たから腹ペコペコー」
と圭輔。

(ホントに仕事終わりすぐ来てくれたんだ…)
いつもは終電で帰る日でも飲んだ帰りに寄るとかだったからこんなタイミングで圭輔が来るのは初めてで日向は少し嬉しかった。
日向はサッと作ったオムライスとビールを出した。

オムライスをペロリと食べた圭輔はビールを飲みながらソファに座ってる日向を自分の脚の間に入れて後ろから抱きついた。

圭輔「…ねぇ。ひなは俺のもんだよね?」
甘えたように後ろから顔を覗き込む。

日向「…は?」

二人とも関係性に関しては一切言葉にしなかったのに突然の圭輔の言葉に日向は戸惑う。

圭輔「…何?その反応。違うの?」
ちょっと子どもっぽくムッとする圭輔。

日向「違うっていうか…」
茜さんがいるくせにむしろどういうつもりで言ってるのよ…という言葉は飲み込んだ。

「俺、あの鷹弥って奴ムカツク…」
圭輔がボソッと言った。

(え…?なにこれ?ヤキモチ?)
この前の一件のことを言ってるのか…と日向は一層言葉を失った。

圭輔「だってアイツ絶対ひなのこと好きじゃん。」

(だから何なんだろう。この男…自分も好きだなんて言ったこともないくせに。)
日向はそう思ってすぐ、それは自分もか、と思った。

日向「いや…鷹弥はそんなんじゃないと思うけど…」
圭輔「ほら、“鷹弥”とかって親しそう」
明らかに不機嫌になる圭輔に困る日向。

日向「いや、むしろ名前しか知らなくてホント親しいとかじゃないし…だってあんまりちゃんと話した事もないし…」

ホントの事だけどなんでこんな弁解してる気持ちになるんだろう?と日向もよくわからなくなる。
自分の思った答えが帰ってこないせいか圭輔は少しふくれて

圭輔「まぁいいや…鷹弥とはこんな事しないよね…」
と言いながらビールを置いてちょっと強引なキスをした。

「ん…っ」
苦しいくらいのキスに目を開けると
「もうベッドまで行くの無理…」
と言って圭輔はまた日向の口を塞いだ。

ソファで1回終わると圭輔はベッドまで日向を運んでまた抱く…。
その時圭輔は一度だけ茜の話に触れた。
圭輔「茜から…LINE来ただろ…?」
(あ…聞いたんだ…茜さんはなんて言ったんだろう…)
日向は思ったが、裸で抱き合って求め合いながらする話じゃないと冷静に口を噤んだ。
「やっぱり…何も言わねーのな」
と圭輔はわかったように言うと
「お前…この華奢な身体ん中にどんだけ溜め込んでんだよ…?」
と日向の身体を指でなぞりながら切なそうに言った。

日向「私…圭輔さんが思うより図太くて頑丈なんです。」
と言って自分から圭輔にキスをした。

ソファでの強引な抱き方とは違って優しく終始愛しい人を抱き締めるように日向を抱いて、圭輔は終電で帰っていった。

「ホント…なんだったの…」
日向は両手で顔を覆ってベッドで一人呟いた。

でもそれからの圭輔はより一層我慢がきかない子供のようにおかしくなる。

歪んだ想いは周りを巻き込んで暴走し始める。

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