圭輔と茜の部屋
圭輔は鷹弥の明らかにひなを狙ってる態度が気に食わずイライラがおさまらないままだった。さすがに茜を先に帰して遊んでおいて、日向のところには行けず家に帰ると
茜「圭ちゃんおかえり~!」
といつも通り玄関で茜が出迎えた。
圭輔「ただいま」
茜にもちょっと不機嫌に返事してしまい圭輔は、しまった!と思う。
茜「え?圭ちゃん結構飲んできた?気分悪い?」
茜は体調が悪いと思ってくれたようで助かった。
圭輔「いや、大丈夫。」
にこやかに答えた。
茜は冷蔵庫から水を取り出して圭輔に渡しながら
茜「そう?…あのねー今日来れなかったっていうひなちゃん?にね、ご挨拶のLINEしたよ♡」
と言った。
ゴンッ!
圭輔は派手にテーブルで足を打った。
圭輔「イテ…え?何で茜がひなのLINEを??」
茜「スゴい音したよ。圭ちゃん大丈夫?」
圭輔はあまりに唐突で動揺してしまった。
茜「だってグループLINEにいたらダイレクトでメッセージ送れるじゃない。今日会えなかったのひなちゃんだけだから、突然知らない人が入ったらビックリするかと思って挨拶したの。」
圭輔「え?グループLINEに茜入ったの?」
茜「うん、アキちゃんが招待してくれたよ。写真いっぱい送るからって…ダメだった?」
茜は圭輔の横にベッタリくっついて座って下から覗き込む。
圭輔「いや、ダメじゃないけど茜、brushupも行ったことないからさ…」
茜「そうなんだよねー。でも今日仲良い人いっぱいできたし今度行ってみたい!連れてってね♡圭ちゃん!」
圭輔「お…おぅ!…」
やべぇ…な。アキのやつ余計なことばっかしてくれんじゃねーか。
写真ばっかりだと思ってちゃんとLINE見てなかった…
しかもひな、そんな事一言も言ってないし…
圭輔はそんな事を考えて
(あぁー…ホント…
ひなはなんも言ってこねぇなぁ…)
と日向の事を考えていた。
圭輔「てかさ、ひなになんて送ったの?」
圭輔が茜に聞いた。
茜「あ、そうそう…あのね…」
茜が圭輔にスマホの画面を見せる。
茜「変な事送ってないと思うんだけど、なんか返事が素っ気なくってちょっと心配になっちゃって…」
茜の送った文面の後のひなの文面を見る。
『はじめまして。日向と言います。私も今日行けなくて残念でした。またよろしくお願いします。』
プッ…
圭輔はひなが悩んでこの文面を打ち込んでるところを想像して、笑い事じゃないけど笑ってしまった。
何よろしくお願いしてんだよ!
圭輔「あ、大丈夫。ひなはこういうとこ男前なやつだからさ。あっさりなんだよな。これでも結構悩んで返したと思うし。」
圭輔がそう言うと
茜「そうなんだ…。」
茜は圭輔の表情に少し不安を覚えた。
でもそれに圭輔は全く気が付かなかった。
圭輔「俺からも一言LINE入れとくよ」
茜とひなが繋がってしまったな…
ひなからなにかバレたりはないだろうけど、今までのは削除しとかなきゃな…
ごめんな…。ひな。
自分でも気が付かないうちに圭輔は目の前の茜の事よりもひなの事を考えていた。