13
また、激しい痛みがきてしまう。
痛い……痛い……!!
「頑張って、菜々子。もう少しだから……もうすぐ病院よ」
真美子は、必死に励ましてくれた。
あまりの痛さに一瞬。
走馬灯のようにイケメン達が見えてきた。
あ、そこに課長が……加わっているわ。
「ちょっ……しっかりして!?菜々子」
しばらくすると病院に着いた。
すると連絡を貰った看護師さんが飛んできて分娩室に運ばれる。
「菜々子。頑張って!!」
遠くから真美子の声が聞こえてきた。
分娩室の台に寝かせられると担当の高野先生が現れる。
お産のために完全防備になっていた。
マスクに帽子を被られたらイケメンの顔が見れないなんて勿体ない。
少し痛みが和らいだため、そんな事を考えてしまった。
「あ、少し頭が出てきてますね。
不知火さん。大丈夫ですよ~落ち着いてゆっくり深呼吸をしてみましょうか?」
高野先生は、優しい口調でそう言ってきた。
私は、痛いながらも指示に従い大きく吸って深呼吸を繰り返す。
「そうそう。いいですよ~そのまま繰り返して。
よし。このまま力を入れて力んで下さい。せーのー」
私は、合図とともに思いっきり力を入れて力んだ。
「ぐっ~!!」
しばらくしたら先生は、また深呼吸をするように言われる。
そして、また力んでの繰り返しだった。
それが、何回も繰り返すため体力の消耗が激しい。
脂汗が出て痛みで意識が飛ぶかと思うほどだ。
「もう少しです。頭が大部出てきましたよ!」
あと少し……ってどれぐらいよ!?
意識が遠退きそうになりながらもそうツッコんだ。
それでも私は、ひたすら産むのに意識をした。