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「うん。でも……大丈夫。
たまにお腹が張るのよね。お産が近い証拠だと思うんだけど」
双子だから安心は出来ないけど、とりあえずマタニティーの本も読んでいるし。
とにかくいつでも大丈夫なように日頃から準備をしてある。後は……陣痛が始まれば……くっ!!
あ、嘘っ……破水しちゃった!?
「菜々子……?」
「真美子……ごめん。破水しちゃったかも」
「えぇっ!?ど、どうするのよ。
えっと……この場合どうしたらいいの?
あ、で、電話!!」
私の言葉を聞いてテンパる真美子だった。
落ち着くのよ……と、とにかく。
そうなってもいいように。準備はしてある。
「真美子……落ち着いて。まだ大丈夫だから!
私の携帯に登録してあるから、とりあえずタクシー呼んで。
あとかかりつけの病院と課長達に連絡を」
「わ、分かったわ!!」
私が必死に指示を出すと真美子は、慌ててテーブルに置いてあるスマホを取りに向かう。
少し経つと痛みが少しずつ引いてきた。
私は、必死に立ち上がりソファーに置いてあるカバンを持った。
保険証と診察券は、入れてあるしOK。
「菜々子、お待たせ。今タクシー呼んだから」
「ありがとう……」
変な汗が出てくるけど大丈夫。まだ間に合う。
しばらくしてタクシーが来た。
私と真美子は、タクシーに乗り込んだ。
「どう?お腹の方は……大丈夫そう?」
「う……ん。さっきから楽になったり、激しい痛みになったりの繰り返し……ぐっ!!」