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初めての会食

 浜崎さんに急きょ呼ばれた食事会の場所は、都心にあるこれまた高そうな中華料理屋だった。タクシーを降り、店内に入ると豪華な内装に圧倒される。
 まるでお城のような内装で、きらびやかなシャンデリアがいくつも吊り下げられていた。思わずポカンとしていると、すぐに店員さんがやってきた。
 「神崎様、お待ちしておりました」
 どうしてか私の名前を知っているスタッフさんに案内されるがまま、会食中の場所へと向かう。
 「こちらでございます」
 「あ、ありがとうございます!すみません、遅くなりました」
 案内された個室に、急いで入る。円形の中華テーブルを囲んで、時計回りに浜崎さん、牧村さん、空席、取引先の方2名とその秘書の方が着席していた。
 「神崎さん、お疲れ様。突然呼び出しちゃってごめんね。ここ座って」
 牧村さんに手招きされて、いそいそと空席に座る。皆さんの視線を感じて、何だか気まずい。
 「こちら社長秘書の神崎です。旧ハセコーの社員で、今月からうちで働いてもらっています」
 「は、初めまして。神崎と申します」
 「こちらが噂の神崎さんね。どうも、ファッションロジックさんには昔からお世話になっております。京谷繊維の京谷(きょうや)と申します」
 一番奥の席から、恰幅のいい50代ほどの男性が名刺を取り出してくる。
 「京谷繊維株式会社 代表取締役社長 京谷八郎(きょやはちろう)」
 もう一人、細見で眼鏡をかけた30代ほどの男性からも名刺を渡される。こちらには「京谷繊維株式会社 副社長 則尾博文(のりおひろふみ)」と書いてあった。そして……
 「初めまして、神崎さん。京谷の秘書の川上です」
 「初めまして、神崎と申します。よろしくお願いいたします」
 ツヤのあるミルクティー色のセミロングヘアが、シャンデリアの照明に照らされて美しく輝く。ぴんと背筋が伸びた佇まいに、鈴の音のようなきれいな声。その存在の美しさに、思わず一瞬見とれてしまった。
 私がイメージする社長秘書って、まさに川上さんみたいな人だ。
 「まあまあ。堅苦しい挨拶はそのくらいにして、まずはディナーにしようじゃないか。今日は神崎さんのために、とっておきのコースを用意してもらっているんだ」
 「え、そうなんですか……!? あ、ありがとうございます!」
 「もちろんだとも。早速いただこうじゃないか」
 その京谷社長の言葉を皮切りに、会食がスタートした。
 「会食」と聞いて私が想像していたのは、ご飯を食べながらの打ち合わせ……という感じだったが、実際はそれほど堅苦しいものではなく、談笑しながらの楽しいディナーだった。
 初めてのコース料理に、勝手が分からず四苦八苦したが、牧村さんが一から優しくレクチャーしてくれたおかげで、何とか乗り切ることができた。牧村さんには感謝してもしきれない。そして京谷社長も気さくな方で、こんな小娘にも色々話しかけてくれたり、気遣ったりしてくれた。川上さんも、さりげなくフォローしてくれてとてもありがたかった。
 副社長の則尾さんは基本的に無口な方だったが、変にあれこれ質問されるよりもよっぽど居心地が良かった。そして、私を呼び出した肝心の浜崎社長はと言うと……。
 「父が今日の会食の話を聞いて、京谷さんにもよろしくと言っておりました」
 「おお、それは嬉しいねぇ。お父さんの具合は良さそうかい?」
 「はい、最近は前に比べて体調が安定しています」
 「そうか、それなら良かった。やはり人間、健康なのが一番だからね」
 「はい」
 「浜崎君も色々と変だろうが、くれぐれも健康には気を付けておいた方がいい。健康であれば、それだけではつらつとした日々を過ごせる。仕事ももちろん大切だが、あまり婚を詰めすぎないようにな」
 「はい、ありがとうございます」
 「まったく、この年になるといちいち言うことが説教臭くなってなぁ……。いつもすまないね」
 「いえ、そんなことは……」
 何だか、とっても意外な感じだ。いつも会社のトップとして私やほかのメンバーに的確な指示を下す社長しか見てこなかったから……。
 まるでお父さんと息子みたい。社長と言っても、まだ私と同じ二十代だもんな。
 年相応の素顔、と言うべきだろうか。普段の仕事では見ることのない、新しい一面に新鮮な気持ちになる。
 「神崎さん、何だか物珍しそうな顔しているね」
 「いえ、あの……。年相応の社長を見るのがすごく新鮮で」
 「年相応とはどういうことだ?神崎」
  どこから話を聞いていたのか、社長が会話に入ってくる。
 「え、いつも落ち着いていらっしゃるから、大人びて見えるというか……。私より3年先輩には見えないなぁと思って」
 「ふふ、神崎さん、それって社長が老けてるってこと?」 
 「えっ!? あ、違います!そんなんじゃなくて、私なんかよりもずっと大人っぽいな~と思って!」
 「大人っぽいも何も、神崎よりも俺は年上だろう。老けているとは遺憾だな」
 「いや、だから老けているなんて言ってませんて……!」
 「うふふ、浜崎社長と神崎さんって、いいペアね」
 「あ、ありがとうございます……」
 「ハハハ、今日は浜崎君に紹介したい人がいると言われて来たんだが……。浜崎君、神崎さん。君たち二人はとても相性が良さそうだ。これからも期待しているよ」
 京谷社長はニコニコ笑顔でそういうと、日本酒を美味しそうに飲み干した。
 「いやぁ、若い二人を見ていると酒が進むねぇ。則尾君ももっと飲みなさい」
 「は、はい……」
 遠慮がちにお酒を飲む、則尾副社長。もしかすると、お酒があまり得意ではないのかもしれない。それにしても、京谷社長の飲みっぷりは見事である。
 ……それにしても、さっき京谷社長、何て言った?
 確か「浜崎君に紹介したい人がいると言われて来た」って、言ってたよね。紹介したい人って、もしかして私?
 そっか、仕事上でこれから関わる機会もあるだろうし、紹介しておきたかったってこと……なのかな?でも、それならわざわざ会食を開く必要ってあるのかな……。
 そもそも社長秘書って、わざわざ紹介するものなの?社長の世界が分からなさすぎて、何が普通で何が普通じゃないのかが分からないっ!
 それでも、京谷受け入れてくれているようで良かった。浜崎さんも、心なしか嬉しそう……に見えなくもない。あ、やっぱりいつも通りかな。ファッションロジック社と古い付き合いと言っていたし、先代社長からの仲と言うし、お互いに良い関係を築いているのかも。
 
 その後も楽しく歓談し、あっという間にお開きの時間になった。人生初めての会食は終わった。浜崎社長の意外な一面が見られたし、取引先の方も優しくて、緊張したけれどとても充実した時間だった。それにしても、社長秘書になるとこういう会食とか増えるのかなぁ。会食用の新しいワンピースを揃えておいた方がいいだろうか。
 そんなことを思いながら、浜崎社長が手配してくれたタクシーに乗せてもらう。牧村さんや京谷社長たちは別のタクシーで帰ったため、社内には運転手さんと浜崎社長、そして私の三人きりだ。
 「今日は急に呼び出してすまなかった」
 浜崎社長が、珍しく殊勝な態度で今日のことを謝ってきた。
 「あ、いえ。呼ばれた時は正直驚きましたけど、取引先のことを知るいい機会になりました。京谷社長、すごく気さくな方でしたね」
 「それならば良い。京谷社長には俺が社長になる前、先代の頃から世話になっていてな。秘書を雇うことになって、まず挨拶しておきたかった」
 「そうだったんですね。京谷社長もそうですし、則尾副社長も優しそうな方でしたし、秘書の川上さんもすごく品があって素敵な女性だなって思いました!」
 「……そうか」
 言い淀むような返事に、ふと違和感を覚える。
 「取引先すべてと良好な関係、とは言い難いが、少なくとも京谷社長のことは信頼している」
 「取引先すべてと良好な関係」。それができたら理想的だが、嫌われない人などいないように、嫌われない会社もまた存在しないのだ。
 「そうなん、ですね……」
 社長秘書ではあるものの、まだこの業務を始めて一週間。あくまで社長の業務サポートであって、私は社長業をしているわけではない。そんな私が、社長の悩みや葛藤を理解できるわけがない。ただ、それでも社長業が大変で、背負うものの大きな仕事であることだけは分かる。
 何も言えず、ただタクシーに揺られていることしかできなかった。
 「なに、気にするな。当然のことだ」
 「でも……」
 「それよりも仕事の心配をするんだな。来週からさらに忙しくなるぞ」
 「えっ、そうなんですか?」
 「夏に向けて、いくつか大きな話が決まっている。そのサポートを頼みたい。これは神崎にしか頼めないことだ。大事な秘書に、いつまでも落ち込んでもらっていては困る」
 フッと軽く笑みを見せながら言う社長の横顔はとても綺麗だった。あらゆる覚悟を背負って生きる人は、美しい。前の会社の社長も、いきいきとした輝くような笑顔で、美しかった。
 私は、秘書は。そんな美しさや輝きを守るために、仕事をしているのかな。
 ふいに、そんなことを思った。私は社長にはなれないし、社長ほどの仕事をこなせるわけじゃないけれど、社長の輝きを、ファッションロジック社の財産を守っていきたい。
 そう考えたら、何だかやる気がみなぎってきた。そうだ、考え込んでいる場合じゃない。
 「はい!また来週からよろしくお願いします!」
 「そうだ、その意気だ。神崎が落ち込んでいるのはらしくないからな」
 「え、私っていつも元気な感じですか?」
 「そうだな、元気と言うよりは……小動物系、だろうか」
 「しょ、小動物!? そんなの言われたことないです」
 「そうなのか。出会った当初から、俺の目にはそう見えていたが」
 「えっと、どのあたりがでしょうか……?」
 「いつも忙しなく動いているからじゃないか?」
 「私って、そんな風に見えていたんですね……」
 忙しなく、ってあんまりいい印象ではない気がする……。まあ、事務って言っても細かな作業も多いし、来客対応とかコピー取りとか郵便物の整理とか動く仕事が結構あるから、あながち間違いではないかもしれないけど……。せめて人間として見てほしかった、というのは欲張りなのだろうか。
 「安心しろ。小動物は褒め言葉だ」
 「あ、ありがとうございます……?ちなみに小動物って、ハムスターとかですか?」
 「そうだな、……どことなくリスのように思っていたが」
 「り、リスですか……。そんな可愛らしいものではないのですが、ありがとうございます」
 「ん?お前はいつでも可愛いぞ」
 「あ、ありがとうございま……って、え!? いやいや、私ですか!? ないない、ないですって!」
 「何もそこまで否定することはないだろう」
 「う……」
 いかにも不服、というような表情と言葉にうろたえる。そもそもいきなり社長が変なこと言うから……!
 「いや、否定させてください」
 「頑固だな」
 「可愛いとか、そういうキャラじゃなんで」
 言いなれてなさすぎて、つい強めに否定してしまう。必死に否定すればするほど、何だか変な気持ちになってくる。
 「俺にとって、お前は大切で可愛い存在だ」
 タクシーの運転手さぁん!お願いだから社長を止めてくださいぃ!
 「社長、酔ってるんですか?どうしたんですか、いきなり」
 「酒は飲んだがそれほど酔ってはいない。それに、お前には前々から俺の気持ちを伝えているはずだが」
 「そ、そんなこと……」
 何だか、この展開はまずい気がする。前の会社で社長が打ち合わせに来たとき、私が来客対応をした。そこから、いつしか社長の話し方が二人きりの時限定で素の感じになり、今に至る。
 『お前のコーヒーが飲みたい』
 『俺はお前がいい』
 『大切な人が悲しむ姿を、俺は見たくない』
 社長が言ってくれたそれらの言葉だけを切り取れば、まるで告白しているかのようなセリフだ。でもこれは、取引先としての自分に向けた社交辞令の言葉だ。だから勘違いしてはいけない。そもそもあの日、恋愛はしないと決めたのだから。
 「それだけでは、まだ足りなかったか?」
 「あ!いいえ、そんな……」
 そう、恋愛はもうしないのだ。ファッションロジック社の人たちは、社長も副社長も、他の社員さんも優しくてとても仕事ができる。人間として尊敬しているし、こんな風になりたいと思うこともある。
 社長がたまに言うストレートなセリフは面食らうことも多いけれど、嘘がないその言葉は真っすぐ心に届くし、嬉しくて照れてしまう。
 ……だから、困る。「冗談だよね」「本気にしないようにしなくちゃ」と思っても、どうしたって心が揺れる。でも、浜崎さんはそんなつもりで言っていないのかもしれない。ただ、一社員として大切に思ってくれているだけかもしれない。
 それなのに、秘書って立場で浜崎さんの近くで仕事できて。前の会社にいた頃は結構苦手だったけど、実は優しくて人の気持ちに寄り添える人だって気付いて……。その優しさに触れたら、ほんの少し甘えたくなってしまって。
 真に受けたらきっと悲しくなるだけって思っているのに、どんどん気になっていって。すごく魅力的な人だから、きっと絶対に女性からモテるんだろうけど。そんな相手に恋いしたって、叶うはずなんてないのに。これ以上考えすぎたらいけない。頭の中が浜崎さんでいっぱいになってしまいそうだ。
 「……俺は、お前がうちの会社に来てくれてとても感謝している。業務の面でもとても助かっているが、何よりも心の支えになっている。俺にはお前が必要なんだ」
私の目を見て真っすぐに伝えられたその言葉が、胸に染み入るようにじんわりと入り込んでくる。途端に胸がじわじわと熱くなる。心臓が痛いくらいドキドキする。
 「あ……」
 どうして浜崎さんは、こんなにもたくさんの言葉を私にくれるんだろう?
 「どうして、そんなに……。優しい言葉をかけてくださるんですか?」
 思わず俯いてしまう。どうして、こんな私に。取引先というだけの関係だった私に、優しくしてくれるんだろう?
 「……まだ、気付かないのか?」
 「え……?」
 「クソ、こんなところで言うつもりはなかったんだが……。明日、空いているか」
 「あ、はい……」
 「なら俺にお前の時間をくれないか。明日18時、家まで迎えに行く」
 「えっ、どこかに行くんですか?」
 「それは当日までの秘密だ」
 「え……」
 これって……もしかして……?
 「あ、あの……」
 「どうした?」
 「き、急に用事を思い出しちゃって、明日はちょっと……」
 恋愛なんてもう無理。また傷つくのが怖い。
 『一緒にいてもつまらない』
 『可愛げがない』
 あの時言われた言葉が脳裏によみがえる。もう思い出したくない。感じたくない。あんな忌々しい記憶は。
 「嘘をつくな。お前は分かりやすい」
 「あ、そうですよね……」
 この人に、急すぎる嘘がバレないはずがないとは分かっていた。それでも、その場から逃げ出したくてたまらなかった。
 「まぁ無理にとは言わないが、確かに俺の本音をお前に伝えたことはなかったな」
 「本音、ですか……」
 「お前がそういう態度なのも、俺が気持ちをきちんと伝えていないからだろう」
 「そういう、わけじゃないですけど……」
 浜崎さんのせい、とかじゃなくて。これは私が解決すべき、自分の問題だから。
 「私が向き合わないといけないことなんです」
 恋愛なんてもういいやって、その気持ちに嘘はないけれど。でも本当は、自分に対しての罪悪感もある。
 きっと「それで本当にいいの?」って自分に問いかけたら、たぶんすぐには即答できないだろう。
 「そうか。きっとお前のことだから、誰にも頼らず向き合おうとするのだろうな。だが、お前は一人ではない。何かあれば俺を頼れ」
 「はい……!」
 やっぱり浜崎さんって、本当はすごく優しい人だ。 
 「誘っておいてなんだが、明日も無理にとは言わない。お前の気持ちが向いた時に教えてくれ」 
 自分のことよりも、私の気持ちを優先してくれる。こんな人に愛される女性は、きっとすごく幸せなんだろうな。
 結局、明日の話はいったん保留になり、そのままタクシーで帰路に就いた。浜崎さんには申し訳ないが、ちょっと助かったとも思ってしまった。
 ……それにしても、やっぱりいつまでもこのままで、なんていられないよね。いつかは向き合わなきゃいけない問題なんだから。
 仕事に打ち込んできた間も、心のどこかで「逃げている」という思いはあった。それでも、逃げることでしか忘れることができなかった。……結局、ふとした瞬間に思い出して悲しくなるから、完全に忘れられてはいないのだけれど。
 それでも、時間は色々な物事を解決するのに役立ってくれる、と思い知った出来事でもあった。今はあの当時よりも、ほんの少しだけ前向きな気持ちでいられる。
 でもやっぱり、傷つくのはダメ……。どうしても、怖い。
 傷つくのが怖いなら、恋愛なんてする資格ない。私は恋愛から逃げてきたのだ。本当に恋愛が嫌いなわけでもないのに、ただ怖くて、恋愛とは無縁の生活を送ってきた。
 それでも友達とご飯に行ったり、大好きな会社のみんなとランチしたりして、楽しいことはたくさんあった。仕事で認められたら嬉しいし、恋愛なんて二の次でいいやって、本気でそう思っていた時期もあった。
 ……でも、その時もやっぱり逃げていた恋愛のことは多少なりとも考えた。「今は仕事」と思っていても、じゃあいつ恋愛をするの?とか、このまま一生独身でいるつもり?とか。独身でいることが悪いわけじゃない。でも、私は「恋愛できないから独身でいいや」と、どこか逃げ腰で。そんなの、本心から独身を貫く人に失礼だし、恋愛する資格すらない。
 そういう気持ちもあって、恋愛事から避けてきた。進展がありそうな恋は全部見過ごしてきたし、気付かないフリもしてきた。……それなのに。
 浜崎さんには、答えなきゃって思う。まっすぐに想いを伝えてくれるから、誤魔化したくない、嘘をつきたくないって、そう思う。
 浜崎さんのことが恋愛感情で好きかと言われたら、それはすごく微妙なラインで。すごく素敵な人だとは思うけれど、自分で一線を引いているところがあるから、まだよく本心が分かっていない。
 自分の気持ちを確かめるためにも、きちんと向き合わなきゃ。恋愛なんてしないと誓ったあの日から、もう3年が経つ。二度と笑えないかもしれない、なんて思った日もあったけど、仕事の忙しさがネガティブな感情をかき消してくれた。自分が打ち込むべきな仕事だと実感した日。それ以来、仕事一筋で頑張ってきた。その日々には後悔なんてない。
 でも今、もしもこのままで、浜崎さんにあいまいな態度を取り続けたとしたら?私は、心の底から自分の気持ちに嘘をついたことを後悔するかもしれない。
 後悔したくない。そのためにも、辛くても、本気で向き合わなきゃ。

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