07
ベッドの上で深々と頭を下げた。
するともう一度ため息を吐いてきた。
「謝罪は、いいからさっさと支度をしろ。
朝食の用意をしてある。早くしないと仕事に遅れるぞ」
えっ……?するとハッと気づいた。
そうだわ、仕事があったんだった!
オロオロしてしまう。どうしたらいいのだろうか!?
すると課長が……。
「とにかく、さっさと顔を洗い寝ぼけた頭を覚ましてこい。
トイレや洗面台は、部屋を出て玄関側から右側だ。
タオルは、好きなのを使え。いいな?」
それだけ言うと部屋から出て行ってしまう。
思いっきりドアを閉められてしまった。
もしかしなくても……怒っている?
でも怒られて当然か……。
注意をされておきながら私は、会いに行ってしまった。
しかも、課長が現れなかったら大変な事になっていた。
それなのに泣いて……爆睡をしてしまうなんて恥ずかしいにもほどがある。
課長が呆れて怒りたくなる気持ちも分かる。
ハァッと深いため息を吐いた。
もう……最悪だと思った。
落ち込みながら部屋から出るとお手洗いを済ませ洗面台で手と顔を洗う。
洗い終わるとタオルを借りたのだが、課長らしくきちんと整理整頓されていて真っ白いタオルだった。
つ、使いにくい……清潔過ぎて。
何とか拭くとカバンに入っていた化粧ポーチから出してメイクをする。
メイクと言っても手直しするために少ししか入っていない。下地と口紅を塗った程度の軽いメイクだ。
メイクが終わると言われた通りリビングに行こうとするのだが……入りにくい。
どんな表情で居るのか、考えただけでも胃に穴が空きそうだった。
しかし入らないとそれは、それで怒られるので仕方がなくドアを開けてみた。恐る恐る。
ガチャッと開けるとすでにテーブルには、朝食の支度をしてあり課長は、座って待っていた。
「遅いぞ。宮下。お前は、支度に何分かけているんだ!?」
「す、すみません」
「まぁいい。朝食が冷めてしまうからさっさと座れ」