第五十二話
「さっきも聞いたが、やはり和歌は鳥の言葉が分かるのか?」
「さあ……」
彼女は上品にうふふ、と笑った。
「幸せを呼ぶ青い鳥。実際に見るのは初めてだ」
「そうなの? 私はいつも会っているわ」
「へぇ。和歌もこういった場所に行くことがあるのか?」
「うーん……と言うより、むこうから訪ねて来てくれるの。この間も、私に木の実を届けに来てくれたんだよ?」
「それはまた……随分と可愛らしいんだな。……俺の手にも乗るかな」
「ええ。ルークなら大丈夫だと思う。……はい、こっちの手に乗ってね………………そう…………いい子ね」
ヒィと鳴いて、彼女の人差し指から俺の人差し指へ。
横向きにチョンチョンと跳ねて移動してくる姿は愛くるしい。
首を傾げてこちらを見てくるルリビタキは、まるで「お前は誰だ」と言っているかのようだ。
怖がらせないように、片方の手でそっと腹を撫でてみる。
——キュウ……。
「おお、和歌! 今、目を瞑ったぞ」
「ふふっ。きっとルークに撫でてもらって、気持ちいいのね」