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5 主人公ルート突入!

女子の裸を生で見てしまった〜

ニヤニヤが止まらないアヤト。

「あーーっ島が見えたよアヤト!」

「切り替えの早いやつだな」

アヤトはボートを島の船着場に止める。

「じょうりーく!」

一目散にボートから飛び降りるノア。

「あの大きさはG? いやFは余裕であったような〜」

「アヤト! ノアの裸思い出してるでしょ!」

「いや、そんな」

「あの事忘れてね、ノアも恥ずかしんだよ......?」

顔を染めながらもじもじとそう言った。

「分かってるよ」

無理に決まってんだろ! 今の表情のせいでより強くインプットされたわ!



「わー、人がいっぱい居るよ!」

「街だ......」

ザ・ファンタジーな街並みと立ち並ぶ商店。

人が密集している景色なんて、日本以来だな......。

「ノア、何処が試験会場か知ってるか?」

「ちょっと聞いて来るねー」

コミュ症な俺一人だったら、いくら時間が掛かろうと一人で探し回っていただろうな。ノアがいて良かった。

「この町の中心で明日の朝9時からだって」

「だとすると今日は、宿を取らないとな」

「何で? 船で寝たらいいじゃん」

「でも部屋は一つだしベッドも一つしか無いし、男女がベッドに入ってやる事と言えば一つしか......」

「ノアは......いいよ?......アヤトは?」

「なん......だと......」

これはまさしく、エロゲーの主人公イベント! 
さっきのラッキースケベといい、俺は主人公ルートへのレールに乗り始めているのか? 直感で分かる。ここで断れば俺の人生は主人公ルートから外れてしまう。 
覚悟を決めろ!

「そ、そうだな。 そうしよう」

「そうしよーう!」

アヤトの覚悟とは裏腹に無邪気にはしゃぐノア。


5時間後......

風呂にも入った、時刻は夜10時、気は熟した!

アヤトはベッドに入りもう一人分のスペースを開ける。

「こ、来いよノア」

「うん」

ノアがベッドに入って来る。
恐怖のあまりアヤトはノアに背を向けた状態でピクリとも動かない。

この場合どうすればいいんだ......いっちゃっていいのか? ノアはいいよって言ってたよな? て言うかいいよってどう言う意味だ? 何がいいんだ? まてまて落ち着くんだ、取り敢えずノアの方を向こう。

「えっ?」

ノアが熟睡している。

「ちょっと、ノア?」

声をかけても微動だにしないノア。

ちょっと待ってくれよ!
一人で盛り上がって何だよこれ、俺が童貞だからか期待しちまったのか? いやいや認めない、これは童貞じゃなくても期待しちまうだろ。ノアは天然でこんな事をしてるって事か? 何て恐ろしい奴なんだ。

アヤトは心を無理やり落ち着かせ、ノアと極限まで距離を取り眠りについた。


翌朝
アヤトは目覚める。

「ん? え、こ、これは!」

仰向けのアヤトの上にうつ伏せのノアが覆っている。ノアの胸の谷間で丁度アヤトの顔を挟む形だ。感じた事のない柔さかさと抱擁感で、息がしづらい。

そうか! 俺の人生はまだ、主人公ルートから外れていない! 
それよりこの頬に微かに感じるこのコリコリとした感触はまさか⁉︎

だがこのままこの態勢だと窒息死してしまう。 ノアをどかさないと、丁度手頃だしココを掴んでっと。

アヤトは丁度手頃な胸を掴みノアを退かそうとする。

「んっ」

ノアが甲高い声を上げる

「何? アヤト?」

「ヤバッ」

「いやっ ダメ‼︎」

ノアは胸を手で覆う様に隠す。

「いやっ悪気はまったく、これっぽっちも無かったんだ!」

「こう言う事は、アヤトがノアの旦那さんになってからじゃないとダメ‼︎」

「えっ?」

ノアの発見に驚くアヤト

待て待て、ノアのいう旦那さんってのは、小学生が将来の夢はお嫁さんってのと同じ様な物だろ。

アヤトは落ち着いて返事をする。

「分かったよ」

「本当に?」

「本当だ」

「良かった......」

ノアは頬を染めながら下を向いてそう言った。

ちょっとやり過ぎたか? でも乗っかって来たのはノアだし、退かす為に何処かは触らないといけなかったし、おあいこだよな?

ノアはポケットから時計を取り出し時間を確認する。

「もう8時だよ! 早く行かないと!」

「そうか今日が試験......」

そうだ、3カ月のあいだ俺はこの試験の為に死にそうな思いまでして修行してきたんだ、この試験に落ちたら俺の3ヶ月が無駄になる。 そう考えたら不安になって来た......。高校受験を思い出す......。

俺は第一志望の高校受験に落ちて、知り合いがいない高校に入学、その後は......思い出すだけでゾッとするな。

「何してるの? 早く行こうよアヤト!」

「どうしようノアちょっと不安になって来た......」

「大丈夫! ノアがアヤトといてあげる」

その一言で不思議と心軽くなった。

「早く行こ」

「おう」

二人は試験会場を目指す。

「アヤト〜試験ってどんなことするの?」

「分かんねぇけど、筆記試験とか試験官にテクニックを披露したりとか、そんなところだろ?」

「意外と簡単そうだね」

「今の一言で簡単じゃ無くなった気がする......」

「あっアレが試験会場じゃない?」

そこには円形闘技場あり、そこの中心に人が16人集まっている。

「結構少ないね?」

「まぁテクニシャン自体が少ないんだし、その中から探検家を目指す奴となれば、こんなところだろ?」

「テメェーッ! 見つけだぞっ!」

「ん? おっお前はピアス野郎! 何でお前が⁉︎」

「殺スゾッ 俺の名前はプライドだ!」

「そっか、ピッタリな名前だな......」

「殺スッ‼︎」

プライドが殺意全開でアヤトに近づいていく。そこにノアが割って入る。

「やめてよ! フライドはアヤトに負けたんだから!」

「プライドだっつってんだろ、もうダメだ二人まとめて殺す‼︎」

「静粛にー!」

闘技場に設置された高台に人が現れる。

「私が今回の試験官だ! ダラダラ話していても時間の無駄なので、早速だが試験内容を説明する。 ここから見えるあの森で試験は行われる。2時間の間に森の中に5つだけあるゴール地点を見つけ、試験が終了するまでそこを死守した物を合格とする! 質問は?」

「そんな事で探検家としての技量を測れるのですか?」

「測れる! 初めて訪れる森でゴール地点を見つけだす探索能力。 ゴール地点を奪い合う場合の、戦闘能力。この二つを同時に審査する! 
ちなみに今日の試験、友達と仲良く受けに来て一緒に試験に挑みたいって奴はいるか?」

「はいっ」

一組が手を上げる。

「何人で来た?」

「三人です」

「よし、では1つのゴール地点に三人で入る事を認める! だがその分ゴール地点を三つに減らす。」

「チッ」

「余計なこと言いやがって」

探検家志願者達の空気が一気に悪くなった。

わざとだ......あの試験官、わざと空気を悪くして志願者同士を、争わせようとしてやがる。

「では、森に向かおう」

志願者達は息の詰まりそうな空気の中、森に向かう。

「大きな木がいっぱい生えてるね〜」

「あぁ、そうだな」

こんな空気の中でもノアは平常運転、流石だな。

「では今から5分後に試験を開始する。それまでに各々好きなスタート地点に移動してくれ」

次の瞬間周りの志願者達が消えた。

ノア以外が消えた⁉︎ ノアにも俺が見えてるみたいだな。

「何処に向かうか互いに見えない様に、私の幻術を使った。 さぁ配置に付け!」

仲間同士は見える様にしたのか?

「ねぇアヤト、何処に隠れる?」

「この状況だと、何処に隠れても一緒だかな〜あっちに行ってみるか?」

「うん!」

ついに始まった探検家試験。
だがアヤトは気付いていない試験内容に志願者同士の殺しについて規制が無かった事を......

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