バナー画像 お気に入り登録 応援する

文字の大きさ

4 船上での初戦闘 

「ちょっと待て!」

女の子は部屋の外に堂々と歩いていく。

「バレたらどうするんだよ!」

アヤトは物陰に隠れながら彼女を追いかける。

「アンタもうちょっと警戒しろよ」

「アンタじゃ無いよ。 ノアはノアって言うの。 君は?」

「アヤトだアヤト! いいから早く隠れて!」


「テメェ何してんだ‼︎」

男が部屋の窓から叫んだ。

見つかってんじゃねーかー!

アヤトは物陰に隠れて頭を抱える。

「よぉ」

プライドが部屋の扉を蹴破って現れた。

「少しはお腹が満たされたからね、もう捕まらない!」

そう言うとノアの手のひらに小さな竜巻が現れる。そしてノアは自信満々にこう言った。

「ほらね!」

「風属性......お前は水属性だったはずだが、複数の属性を使えるのか? まぁどちらにせよお前は潰す。 そこに居る錬金術師もな!」

バレてるじゃねーか......

アヤトは一度負けた恐怖により蹲ったまま動けない。

「2人がかりでもいい。かかってこいよ」

ノアはプライドに向けて、竜巻を横向きに放つ。

プライドはその攻撃を余裕で避け、それと同時にノアの顔に手をかざし手のひらを爆破させる。
その衝撃でノアは船の端まで吹き飛ばされる。

アヤトは手に持った鉄球を見つめる。

もっと鉄があれば......錬金術って使えねぇ......

「テクニシャンってだけで高値で売れるんだ。金持ちの客に売ってやろうと思ったが、こうやって暴れられるのは迷惑だ、逆えねぇくらいにボコってやるか」

プライドは倒れ込むノアの頭に手をかざす。

「優しい客に買われれば裕福な暮らしが待ってたかもし知れねぇのに」

このままじゃノアが殺される! 鉄はこれだけしか無いけど、一か八か行くしかねぇ‼︎

アヤトはプライドに向かって走り出すと同時に手に持っていた鉄球を鍵爪に変形させる。

「お前は要らねぇ」

そう言うとプライドは両手をアヤトに向かって爆破させる。
アヤトはノアを飛び越えて船の外に吹き飛ばされた。

「お仲間はどっかに吹っ飛んでったぞ?」

グググググ

この緊迫した状況でノアの腹が鳴る。 
リンゴ1個では足りなかった様だ。

「テメェなめてんのか? いっぺん寝てろ」

プライドは再びノアに向かって手をかざし爆破しようとしたその時 鉄がプライドの手首に巻き付き手錠型に変形する。

「何っ⁉︎」

何が起こっているのかを理解できないプライド。

「ノア、大丈夫か?」

船の外から顔を覗かせるアヤト。

「アヤト? 海に落ちたんじゃないの?」

「落ちた所にちょうど俺のボートがあってな」

「テメェ」

プライドは鉄の錠を炎で溶かす。

一瞬で鉄を溶かすとか、あの炎どんな温度してんだよ。 落ち着け、動揺してるのを悟られるな。

「そんなもんかよ!」

アヤトがしたり顔でプライドを煽る。

「錬金術師如きが調子に乗りやがって」

プライドは片手に炎、片手に剣を握りながらアヤトに近づいていく。

来いっ来いっそのまま来い............

「今だっ!」

その瞬間床下から溢れ出した大量の金属が、プライドの体を拘束する。

「クソッ! どう言う事だ! 錬金術師は金属がねぇと使えねぇはずだ‼︎」

「ハッハッハッハ 残念だったな! さっき落ちた時に船の側面の穴から金属を忍ばせて置いたんだよ! 俺のボートは金属の塊だからな!」

「アヤトやるね!」

「さっさと逃げるぞ!」

一目散に逃げようとするアヤト。

「待てテメェ!」

「それだけの金属を溶かすには時間がかかるなぁ、せいぜいがんばれ、じゃーな!」

アヤトはボートに逃げる。

「テメェら! 奴らを捕まえろ‼︎」

「うぉーー‼︎」

海賊達が追ってくる。

「そんなに食料必要か?」

食料を入れた大きな袋を持ってノアが船を降りて来る。

「要らないなら全部ノアのだからね」

「そーかよ、船出すぞ?」

「しゅっぱーつ!」

元気一杯にノアが言った。
そして船が動き出す。

ボートに飛び乗ろうとした海賊達が間に合わずに海に落ちる。

アヤトは全速力でスクリューを回し、海賊船から逃げる。


「すごーい!テクニックで動かしてるの?」

「あぁ、そう言えばノアもテクニック使いなんだろ? なんて言うテクニックなんだ?」

「魔術だよ」

「魔術か〜王道だなぁ 俺もそっちの方が良かったな......」

「錬金術は使えないテクニックだからね〜」

「やっぱそうなの?」

「普通はマナを何かに変換するから、体さえ有ればテクニックを使えるけど、錬金術って金属が無いと何も出来ないんでしょ?」

「そうだよなー、それに引き換え魔術は水に風、それに炎まで使えるんだろ? 卑怯だぞ」

「違うよ、普通の魔術は1つの属性しが使えないよ? ノアの家系が変わっててるの。」

「どう言う事だよ」

「魔術属性には、それぞれ弱点になる属性があって、ノアは敵の弱点になる属性しか使えないの」

「それって言い変えれば、相手によってどんな属性でも使えるって事だろ?」

「そーなの?」

ノアはどうやら天然らしい。

「そーだ!」

「どうした?」

「ノア、行かなくちゃいけない所があるの!」

「何処に行きたいんだよ」

「探検家の試験会場!」

「もしかしてノアも探検家になりたいのか?」

「ノアもっことはアヤトも?」

「あぁ」

「そっかー、ノア達気が合うね」

そう言って微笑んだノアの顔を見て、つい目を背けるアヤト。

「ボートの中、探検して来るね?」

「そろそろゲートアイランドが見えるはずだし、俺はここで海を見てるよ」

「わかったー」

そう言ってノアは部屋の中に走って行った。

女子との会話、中々慣れないな。

アイスグレイルを出発してから、今日で1週間と5日アイザックの話だとそろそろ島が見えるはずだ。

試験の内容がどんな物か知らねぇが、一様用意はしておくか。
今回の件でわかったが、俺のテクニックは近接戦闘向きじゃ無い。
鉄でどんな物が作れるか......銃? いやいやあんな複雑な構造イメージ出来ねぇ、俺でもイメージ出来る飛び道具って言えば......ボウガンくらいか?よし、作ってみよう。

金属から 弓 銃身 トリガー ハンドル この4つの部品を作りそれを組み立てる。

極限までシンプルな作りにしたから強度は心配だが、この程度ならテクニックで修理可能だな。それに金属を操る事でリロードし連射も可能だ。 他にも俺の知識で作れそうな物は作っておこう。


「はぁ〜〜疲れたー今の俺には俺が限界だ」

伸びをしながら海を見ると

「島だ!」

ノアを呼びに行かないと。

アヤトは部屋のドアを開ける。

「あっ」

そこにはシャワー浴びた後の裸のノアがいた。

「キャーーーーッ!!」

ノアの手から突風が放たれアヤトは壁え激突し壁を貫いて部屋の外に吹き飛ばされる。

「グハァッ!」

俺はいつもアニメを見ながら、不可抗力で女の裸を見せられ、毎度ボコられる主人公を見ていて理不尽だと思っていたが、実際にあのバケモンみたいな胸を生で見てしまうと、確信してしまう。

ボコられる価値があると!

アヤトは拳を空に掲げこう叫んだ。

「主人公への第一歩達成だーーーっ!!」



「プライド船長! 海賊止めるってどう言うことっすか⁉︎」

「どうもこうもねぇよ! あいつらは二人ともテクニシャンだ。 そして南え向かった、つまり奴らはゲートアイランドで行われる試験を受けに向ったんだ! 俺は奴らを追う! 俺の人生に黒星は要らねんだよ」

しおり