本当の事
累は何処か遠くを見つめながら静かに「友達…… ね…」と呟いた。
「そんなに珍しい?」
「俺からしたら」
「話変わるけど、次は又違う所が有るんだって?」
「悪いが俺は見てないから聞いた話しか知らない」
どんな所か聞いたことを言った後予測で色々な事を話すが敵に関しては見てみないと分からないと言った後、サーレは何か欲しい物は無いかと聞くが、累は「今は裁縫道具、他は特に無い」と言い、サーレを困らせた。
「物欲も無いのか……」
「ソレはそうと裁縫道具借りてきてもらって良いか?」
「新しくとかじゃダメなのか?」
「服はともかくこの上着は駄目だ」
「咲って人からのーー」
「違う」
「今日はやけに言葉遮るね」
「じゃあ何だよ」
「言わなくて良いだろ」
「やぁ 立役者さん、身体の調子はどう? 後はい、お望みの物」
ファムと呼ばれた男は裁縫道具を机の上に置いて座った。
「持ってきてくれてありがとうな、で何の様だ?」
「少し君に興味が湧いた」
「俺はお前に微塵も持ってないがな」
「そう言わず、やぁニーナも居たんだ」
「友達になりました」
目を晒しながら「なったな」と溜息混じりに呟いた。
「氷川、リシュルさんととメルさんが呼んでる、ちょっと来てくれ」
「ちょっと、席、外すな、俺の愚痴でも何でも言ってて構わないから」
案内人に案内された扉に「お邪魔するぞ」と言って入り、一番近くの椅子に座った。
「敵を倒したと言うのは本当ですか?」
「運良くな、やっぱりその話か?」
「その事も有りますが、この手帳の話も一緒に」
「数が増えた事か? 悪いが何を書いてるかは知らない、更地にしたのは前にも言った通りのヤツの中に入ってた衝撃波パンチだ。塔の能力と月の能力以外は知らない」
「ならば何故身体がくっついたのですか?」
「俺が聞きたい、そもそも再生の能力何て黒い所へ行って初めて聞いたんだ。一番可能性があるのはクソ主催者だが、理由が全く分からない」
リシュルがメルに目線を向けるもメルは首を横に振った。
「嘘はついてない様ですね」
「吐く理由が無いからな」
嘘かどうか分かる能力持ってるのか? そんな能力者も居るんだな
「分からずに突っ込んだって事か?」
「見込み甘くて真っ二つにされたがな、本当に運がいい」
「後この手帳なんですが、回数制限が有りますよね?」
「確かに有ったな、あのパンチは二回だった筈」
「この手帳にも二回と書いてありましたが、手帳には先程確認しましたら、一と書かれています」
「デスゲームの時と回数一緒か」