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最初の友達

 あの黒い所にいた奴の能力は使えるとして、どうしたら使える数が増えるか基準が分からない。そして聞き忘れたが借りた時の影響を咲達に聞いてないし、能力の紙は渡したから他人のは使えない、言葉の条件も知らないから、仮に借りれても咲だけだな。なるべく借りるなんて事は無い方が良いんだけど。

 そう考えていると先程話しかけてきた人が又話しかけてきた。

 「何考えてるんだ?」
「身体が引っ付いた事を考えてた」
「着いたよ」

 ニーナのその言葉を聞くと累はすぐに船から降りて自分の部屋へ走っていった。

 「はぁ… 何で生きてんだよ…… 今じゃなくてもっと前の時に助けてくれよ、何であの時誰も、誰も助けてくれなかったんだよ、でもそうなったら咲は…… でも、もう咲に普通の人生を送らてやることなんて……」

 机に顔を伏せながらか泣きそうな声で独り言を言っていると足音が耳に入り、近くにあったペンを持って紙に下手な絵を乱雑に書いた。そして絵が一つ描ききる前にニーナが入ってきた。

 「ちょっと良い?」
「扉を叩く位はしたらどうだ?」
「食べたいモノとか無い?」
「無い」

 一呼吸おいてから累は自分を貶しながらニーナに構ってくる理由を聞いた。すると「なんとなく」と言い「お前いつか後悔するぞ」と呆れた様に返答すると、ドタドタと走る音が聞こえて扉を見ていると、数秒後扉が勢いよく開いた。そして開いた扉の所にはサーレとムーが汗を流して息を荒げながら立っていた。

 「累、居るか?」
「何の様だ? 槍をココで振り回しはしないよな」
「身体が真っ二つになったって、聞いたから、心配で」
「何故か引っ付いたがな」
「良かった、生きてた」
「ムーまで居るのか、体力とか大丈夫か? 眠たく無いか?」
「ちょっと、眠たい」

 累はいつもの様に布団を敷いていつもの様に同じ事を言うとニーナはすぐに寝た。

 「俺も眠たいって言ったら布団敷いてくれる?」
「いつの間にか寝てなきゃ部屋に帰れって言うな、お前友達友達言うが、友達何人いるんだ?」
「二十人は居る、いつかは友達千人つくる」
「頑張れ、応援してる」
「累もなるんだよ」
「最低でも素の俺に勝ってから言え」
「絶対勝つ」
「じゃあ私累の友達ね、ニーナって呼んでね、ニーナちゃんでも良いよ」
「は?」
「だって累に勝てば良いんでしょ? だったら友達になる条件満たしてる」
「ちょっと待て、コイツが友達友達うるさいから渋々条件出しただけだ。お前と友達にはならない」
「じゃあ友達になろうっていっぱい言ったらなってくれる?」
「…… 勝手にしろ」

友達って何やるんだよ…… こんな事ならこんな条件コイツに出すんじゃなかった……

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