54話〜爆音は城中に
ここは名もなき城。そしてクロノアが放った魔法の爆音は城中に響き渡っていた。
ここはゲランの部屋。ゲランはその音を聞き、
「ふっ、この音は勇者達の仕業か。もっと、慎重に来ると思っていたが、随分と派手にやっているみたいだな。まぁいい、僕は今やるべき事をやるだけだ」
そして、ベットの上に座り書物を読み色々と確認しながら、しばらく様子を見る事にした。
そして、ここはオルドパルスの部屋。オルドパルスもその音を聞き、
「勇者の中には、随分と過激な性格の者もいるとみえる。まあいい、勇者達の始末はライロス達に任せたのだから大丈夫だろう。まだ時間はある。今の内に色々と再確認しておかねばな」
オルドパルスは部屋を出てユウの部屋に向かった。
そして、ここはカプリアの部屋。カプリアもその音を聞き、
「これは……何をしているのだ!これでは作戦が台無しではないか」
そう言うと少し考えたあと、カプリアは水晶を取り出し話しかけた。
「ホープ。今、そこにいるかのぉ?」
そう言うが反応がなくカプリアはどうしようか考えていたが、もう一度話し掛けてみた。
「ホープ。やはりまだそこにはいないのかのぉ?」
そう言うと、水晶からホープの声が聞こえてきた。
「あ〜ごめん!今、色々と調べていてね。それよりカプリア。どうしたんだい?」
「それがのぉ。今、一階の方だと思うのだが、爆音が聞こえてきて。恐らくは勇者の内の誰かだと思うのだがちょっと心配になってのぉ」
「そうなんだね。そうなると恐らくオルドパルスの配下との戦闘と考えて間違い無いとは思うけど。そうなると作戦を少し変えないといけないかもしれないね。でも、今の状況で変えるとなると少し困難かもしれないし……どうしようか?」
「そうなのだが?どうしたら……」
そう言うとホープは少し考えてから、
「ん〜、そうだなぁ。もう少し様子を見て僕から、テリオスが持っている水晶に話掛けてみるよ。それでいいかな?」
「それしか方法がないのであれば、それで良いかと」
「じゃ、カプリア。一旦こっちの通信は切るね」
ホープがそう言うとカプリアは「はい」と言い頷きその水晶を隠した。