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はじめてで最後のお泊まり

もう夜9時はとっくにまわった。

「今夜はホテルとってやる。今日一日頑張ってもらったからな」と吉澤。
「留置所とかじゃないでしょうね?」
「桜田門ホテルも悪くないぞ」
「帰りますから」

「おいおい、待てって。お前マフィアに狙われてかもしれないんだぞ」

そう言いながら杉田にホテルの手配を指示した。

「予算あるからハイアットとかは無理だけどな。俺も最後くらいふかふかのベッドに寝てみたい。あ!ツインな!」

駅近のホテル、しかもフロントがしっかりしているホテルだった。

チェックインして大浴場があるから汗を流しに行く事にする。結構警察関係者も泊まっているらしかった。廊下ですれ違った人なかに独特のオーラを感じる人が居る。

吉澤は風呂に入れないので風呂行っている間自分の携帯を貸してくれという。
そうか、スマホは反応しないけどガラケーのボタンなら人形でも押せるか。
今頃、エイッ!エイッ!と小さな女の子(の姿をした人形)が正面突きでボタンを押している姿を想像したらなんか可愛かった。

中身おっさんだけど。

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