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策士無双


「高梨さん、よく人形の頭のカラクリ気が付きましたね」

「殺された家族が娘に頭の違う人形渡していた意味考えてたんです。ちょっと大きめの頭、そして吉澤さんが頭が痛いって」



「ヤマダさん、弁護士さん連れてきたぞ。これで話してくれるな?」

「林田法律事務所の岸と申します。今回のナイフ所持の案件は軽犯罪法違反ですよね?長時間の勾留権限は無いと思うのですが。」

「いえ、残念ながらナイフの件だけでは無いのですよ。ついぞ1時間ほど前に地下駐車場で事件がありまして」

「本人否認してますし、何も物証ないんですよね?だったら別件・・」

「ありますよ、物証。」

「はい?」

「先程5分くらい前ですかね?靴下の中に隠したモノ出してもらえませんか?」

「なにを??」

「このヤマダという人物、たった今この人形の頭の中からマイクロチップ盗んだんですよ。証拠のビデオも有ります。現行犯逮捕ですね」

「それに私、部屋を出る時にこの人形吉澤警部補と言いましたよね?公務執行妨害でも引っ張れますねー」

「刑事さん、笑わせないでくださいよ、この人形が警部補だなんて」

岸弁護士が人形を持ち上げるとヤマダの嵌め込みが甘かったのか頭がとれて床に落下、部品が四散した。

「先生、貴方も器物破損と証拠隠滅未遂ですね。お二人とも今日はこちらでゆっくりして行ってくださいな」

「馬鹿な!」

「16時35分、現逮です。先生の取り調べは後ほど。では失礼。」

そう告げらると手を引かれて岸は別の取り調べ室へ案内されていった。

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