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21話〜未知の天職

 ガルドはマリアンヌに言われ両手を水晶の上に乗せた。

 マリアンヌはそれを確認すると、水晶に両手を翳し天職と現職を調べ始めた。

 すると、水晶は澄んだ青空のように染まり、眩いばかりに散りばめた星々のように光を発すると、マリアンヌはガルドから何かを感じとり表情を変えた。

「ガルドさん、少し聞きたい事があるのですが。貴方は何者なのですか?」

 そう言われガルドは首を傾げ、

「ん?俺が、何者かって言われてもな」

「マリアンヌ。いったい、どうしたの?」

「それは、何と言っていいか。普通ならあり得ない事なのですが、ガルドさんの身に最近、運命を変えるような何か特別な事はありませんでしたか?」

「それは、どういう事なんだ?……ん〜確かに色々あった事は否定はしねぇが。それが運命を変えるような事なのかは分からねぇ。しかし、それと今調べてもらっている事と何か関係があるのか?」

「そうなのですね。まさかとは思いますが、何らかの力により、ガルドさんの天職が変えられてしまっているようなのです。ただ、その天職が余りにも未だかつて存在した事がない職業の為、それが何なのか分からず見えないのです」

「なるほどな。だが天職が分からねぇと、現職が分からねぇって訳じゃねぇんだろう?」

「そうですね。確かにそうなのですが。でも、出来る事ならば天職が分かっていれば、現在の職をどう活かすかが分かるのです」

「まぁ、とりあえず俺は、現職だけでも分かれば、それで構わねぇ」

 そう言うとマリアンヌは頷き、また水晶に両手をかざしガルドの現職を調べ始めた。

「それでは、ガルドさんの現職なのですが、微かに魔力は感じます。ですが現在の職業は戦士ですね」

「そうか、戦士か。だが俺に魔力を感じるって言ったが、どういう事だ?」

「それは、恐らくその魔力は、ガルドさんが元々持っている力だと思います。それでこれは、私からの提案なのですが。剣と魔法が使える職業に転職し、その魔力を上げられた方が良いかと思います」

 そう言われガルドは少し考えた後、

「ん〜剣と魔法が使える職業か……。そうなると、俺が今なれる職業って、何なんだ?」

「そうですね。現段階では魔法剣士か魔法戦士あたりがいいと思いますが」

 そう言われガルドが考えていると、

「ねぇ、ガルドって、どちらかといえば魔法剣士っていうよりも、魔法戦士の方じゃないのかなぁ?」

「そうね。確かに、ビスカが言うように、私もガルドは剣士というよりも戦士の方が合っているように見えるかな」

「ん〜魔法戦士か。そうだな、確かに悪くねぇかもしれねぇな」

 そう言うとガルドは席を立った。

 そして、ビスカはそれを確認すると自分も見てもらう為に水晶の前の椅子に座った。

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