バナー画像 お気に入り登録 応援する

文字の大きさ

19話〜ドラゴンマスターの伝説{改}

 ハクリュウ達3人は、途中で荷馬車を手に入れ、ブラックレギオンにある革命派のアジトに急ぎ走らせた。


 グロウディスがふと思いだしたように、

「そういえば、こういう話は聞いた事があるか?」

 グロウディスはそう言うと2人を見てから、

「白き英雄、黒き覇王、灰色の守護者とは、ちょうど100年前に、この国を救い三つに分けた異世界の者につけられた称号なのだが」

 グロウディスがそう言うとハクリュウとシエルはその話に耳を傾けた。

「だがそれよりも遥か昔の言い伝えが存在する」

 そう言うとグロウディスは語りはじめた。


 ……この世界には国など存在せず、ただ種族同士が日々、争いあってるだけだった。

 ある日争い事を好まなかった人々が3人の異世界の者を召喚した。そしてその異世界の者たちは争いを止め国を作った。

 そして国民はその3人を裁きの龍神と崇めた……


「……そして称号として白き龍の王、黒き龍の王、銀色の龍の王と名付けた」

「龍が付くって事は、つまりドラゴンにまつわる何かを3人は持っていたという事なのか?」

「そういえば、その話は確か昔、私も聞いた事がありますが。あまり詳しくはないのです」

「そうか。その3人は、ドラゴンを身体に宿していた。でも、最初からそれを扱えたわけではないらしい」

 少し間をおき、

「そして、その能力をドラゴンマスターといい。ドラゴンの力を自由に扱え、その体内に宿しているドラゴンさえも操れるらしい」

「そうなると、100年前に異世界から召喚された奴らにも、ドラゴンの証はあったのか?」

「ん〜、ドラゴンの力の証はなかったらしいが……」

「確かに、前の異世界の者たちにはなかったと聞きました」

 ハクリュウは少し考えてから、

「あっ!俺にも何か証らしい物があるのか?」

「確か、証が出るのは3人が揃い、ある場所に行き神から力を授かり分かると聞いていますが」

 ハクリュウは少しワクワクしてきていた。


 そしてハクリュウ達はそう話しながら、ブラックレギオンにある革命派のアジトに向かっていた。

しおり