2話〜ガルドVSキングオーガ{改}
キングオーガは、ガルド目掛け斧を振り上げた。
ガルドはその攻撃をかわすが、その風圧で飛ばされ、少し先の地面に叩きつけられた。
ガルドは、その衝撃で口から血を吐き、胸を押さえながら、キングオーガを睨んだ。
「グハァっ!こんな奴どうしろって言うんだ……ハァハァ、絶対無理な相手だろが!だが、このままにしておくわけもいかねぇしなぁ」
そう言い剣を握りしめ、首元に狙いを定め弾みをつけ飛び上がり、キングオーガの肩ぐらいの高さまでくると、ガルドは剣を振り下ろした。
だがしかし、首に届くその前に、斧でガードされ、ガルドはそれを力任せに押しきろうとしたが、キングオーガは少し後退しただけだった。
「やはり、無理なのか?こいつを倒すのは……でもこのまま、こいつを野放しにしておけば、被害が増えちまう。どうしたらいい……」
そうガルドが思っていると、近くで血を流し倒れている男が、自分よりも遥かに、良い剣を持っている事に気づき、その剣を手にしてみた。
「この剣は、俺が使っているものよりも、刃こぼれしてねぇし、軽くて凄く良い剣なんだがなぁ。流石に人の物だしまずいよな」
すると、血を流し倒れている男が、ガルドに話しかけてきた。
「ハァハァ。た、頼む……その剣はお前にやる。そのかわり、あいつを倒してくれ。ハァハァ、俺はもう……」
そう言うと、全てを話す前に、その男は生き絶えた。
それを見たガルドは震え、心の中で怒り、泣き、悲しみ、どうしようもなく、やり場のない気持ちになった。
「何だって言うんだ。クソーーーォッ〜!俺がこの剣で何とかしなきゃならねぇ。って、いくらなんでも相手が悪すぎだ!」
そう言いキングオーガを見ると、
「あ〜、スゲー泣きてぇ。逃げ出してぇ。どうすんだよ!?」
そう言っているとキングオーガが、容赦なくガルドに襲い掛かって来た。
それを見たガルドは、逃げ出したい気持ちを押さえ身構えた。
キングオーガが斧を水平に振り回し、ガルドを斬りつけた。
ガルドは避けようとしたが、斧の威力があり過ぎて左足に当たり、そのまま少し先まで飛ばされ、また地面に叩きつけられた。
キングオーガはすかさずガルドに近付き、襲い掛かろうとしていた。
ガルドは先程の攻撃で左足に傷を負い、2度も地面に叩きつけられ、フラフラで動くのがやっとだったが、それでも戦わなければならなかった。
「ク、クソォッーー!!な、何で、ハァハァ、俺がこんな目に合わなきゃならねぇんだ!」
そう言っているとガルド目掛け、キングオーガが斧を縦に振り下ろそうとしていた。
それを見て、ガルドは更に恐怖を感じたが、咄嗟に身体動き、キングオーガの股の下をくぐり、後ろに回り込んだ。
キングオーガは動きが鈍かった為、振り向き、それに気づいた時には既に、ガルドが攻撃をしようとし、身構えていた。
ガルドは剣を握り、痛い左足を引きずりながら、近くの岩場に登り右足を軸に、後ろからキングオーガの首筋目掛け飛び上がり、剣を突き刺した。
剣は突き刺さったが、致命傷にならず、キングオーガはその痛さで暴れ出した。
ガルドはキングオーガの肩の上にいた為、その剣を握ったまま地面へと落下し、全身を強打した。