図工王国は算数大陸同盟から除名された。隣国の技術家庭科国は海の向こうのIT合衆国と軍事同盟を結んだために既に算数大陸同盟を脱退している。図工王国は長年にわたり国境争いをしてきた美術人民共和国と不承不承、和平をした。そのせいで算数国としての技術力も落ちたらしいしね。そんな事情があって数学教育もどんどん遅れていく」
「そうですか」
「うん、だから君には是非とも算数をやって欲しいと思っているんだよ。僕としても君の頭脳なら数学に向いてそうだと思ってるんだけどなぁ……どう?」
「申し訳ありません。僕はどうしても魔法がやりたいんです」
真也はそれを聞いた先生の顔を見て驚いた。彼は今、初めて笑顔を見せたのだ。その顔は真也の記憶の中にいる『彼』と同じ表情をしていた。
「そっか……じゃあしょうがないな。でも、何かあったらまたおいでよ。僕たちは友達だろ? それに、君のご両親は君をここに送り込んだことを後悔してるとか聞いたけど……僕は君のことを誇らしく思う。実を言うと僕は図工王国の潜入スパイだ。君を図工王国のドローイング・ウィザードとして見込んでいる。一緒に来てくれないか?」
- 敵国の魔導士にスカウトされた
- 更新日:2022年11月05日
- ドローイング・ウィザードに抜擢された
- 更新日:2022年11月02日
- 重要な使命を与えられた
- 更新日:2022年11月02日
- 彼女が抱きしめてくれた
- 更新日:2022年11月02日
- お師匠さんに認められた
- 更新日:2022年11月05日
- もっと一緒に居たかった
- 更新日:2022年11月05日
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