結婚して3人の娘を授かり順風満帆な生活を送ってきた笹井裕次郎。
定年後には妻の勧めで写真撮影に勤しむも、無理な姿勢での撮影が祟り、入院搬送。
末娘の家宅で世話になるに至った。
そんな裕次郎への転機は孫娘からの遊びの誘い。
「お爺ちゃん、やる事ないならゲームで一緒に遊ぼ?」
営業時代にはVRルームへの訪問は何度もあった。しかしそれで遊ぶという感覚をいまいち掴めないまま誘われた先で、裕次郎は自分がこのゲームで何をするかを考えた。
その結果、孫は不満を漏らす。
一緒に遊べないと問題視されたステータス構成は、全ての初期スキルを運動補助のパッシブに割り振るという奇行にあった。
「いいんだ、お爺ちゃんはこの元気な体で写真を撮ることを目的にしたから」
納得しない孫を宥め。そこでブログの登録を勧められた。
これが全ての始まり。
裕次郎の『アキカゼ・ハヤテ』としての異端録の原点がここに集約される。
眠れる災害の復活、襲われる第一の街。滅亡を呼び起こすその災害はプレイヤーの記憶に爪痕を残していた。過去に救えなかった町がある。二度とそんな思いをさせないために。
娘とその婿が立ち上がる。やがて災害は消え去り、裕次郎は一躍時の人となった。MVP総なめ!
これは新人プレイヤーのうっかりでイベントを引き起こし、うっかりで解決し、うっかりでルルイエを浮上させ、うっかりで神格を眠りから覚ます。そんな冒涜的なお話。
やがて邪神へと至る君へ。
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