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筒井奈津は高校二年生。友達も多く誰もがリア充だと思っているが、本人にはそれほど充実感はなかった。
奈津はクリスマスイブのデートで流されるように大学生の黒瀬悠樹との初体験を済ませた。その日の夕方、パンケーキ屋の行列に並んでいてクラスメートで緘黙(話せない障害)の本郷和馬と出くわしたが、奈津は和馬に対する悠樹の言動に幻滅した挙げ句、悠樹とケンカ別れしてしまう。泣き崩れる奈津を和馬は放っておけなかった。
和馬に家まで送ってもらう途中、脳裏に昼の出来事がよみがえり、奈津は過呼吸の発作を起こし倒れた。その日、奈津が悠樹に強いられた性行為は優しさや思いやりのかけらもない自分勝手なものでそれがトラウマになっていたのだった。
奈津は救いを求めて、友達になった和馬に自分がされた理不尽な行為のすべてを打ち明けた。和馬はそれを聞いて、ただ泣いてくれたのだった。
(登場人物)
筒井奈津(つついなつ)…主人公。高二。
筒井雄太(つついゆうた)…奈津の弟。中二。
本郷和馬(ほんごうかずま)…奈津のクラスメート。緘黙。
本郷羽海(ほんごううみ)…和馬の妹。中二。
吉田沙羅(よしださら)…奈津のクラスメート。
黒瀬悠樹(くろせゆうき)…奈津の元恋人。大学生。
広河隆子(ひろかわたかこ)…奈津のクラスメートで沙羅の手下。0クル
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西暦2080年、妻のねねが最期のときを迎えようとしていた。50年連れ添った妻が死を迎える前に、夫である西浦創は一つの決断を下した。
創とねねは72歳。結婚してちょうど50年目。だが二人が出会ったのは60年前の二人が中学一年のときだった。二人はクラスメートだった。二人は惹かれ合い、幼い愛を育んだが、ねねには不思議な能力があり、それを気味悪く思った創がねねを見捨てる形で二人は別れてしまった。
その別れを後悔して、創はねねを必死に探して、西暦2030年、創が大学を卒業し会社に入社した年にねねと10年ぶりに再会した。再会したときねねは彼女の母親と同じく風俗嬢となっていた。二人はその後結婚したが、創はねねと離れ離れになった10年間を、そして妻のかつて風俗嬢であった悲しい過去をなかったことにしたいとずっと思っていた。それは一番にはねねのためであったが、創の贖罪のためでもあった。
ねねの余命がわずかになったことが分かって、創はかねてから胸に温めてきた計画をねねに打ち明ける。創はねねの不思議な能力の力を借りて、60年前の西暦2020年の世界へと旅立つことになった。
ねねの悲しい日々をなかったことにするために。72歳の創は西暦2020年の世界で12歳の自分自身と出会う。12歳の創がねねとつないだ手を決して放さないようにするために、老人の創は中学生の創に、当時は嫌われ者だった戸川ねねがどれだけ将来の自分にとって必要な存在となるか、心を込めて話すのだった。
中学生の創は戸惑いながらも、いじめっ子たちからねねを守ろうとするが――0クル
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おれは可美奈偉斗、高校二年生。何もかもどうでもよかった。毎日狂ったようにケンカに明け暮れて悪魔と呼ばれたりしているが、実際狂っていたのかもしれない。今日も十人の不良たちに囲まれていた。そんな場面を見ていじめだと勘違いして飛び込んできた女。そいつは神を自称するイタいやつだった。そいつはおれたちのケンカを止めようとして結局何の力にもならなかったが、神としてあなた(おれのことらしい)を救うと宣言する。そいつの名前は阿熊梓。うちの学校の一年生で生徒会長だという。梓は調子に乗って空席の生徒会役員におれを据えようとする。あきれて、もうおれにかかわるなと梓に宣告したが、生徒会書記で自分が妖精だと思い込んでいる島彩夏が、梓と出会った以上、おれの世界はもう変わってしまったと妙なことを言い出した。二人と別れての帰り道、妹の真昼と出くわして怖いものなしだったはずのおれも思わず絶句した。真昼は五年前、小学五年生のとき事故で死んでいたからだ――
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☆第4回ツギクル小説大賞奨励賞受賞!
舞台は日本と韓国が武力衝突の危機を迎えた近未来。この国が、そして世界が破滅に向かって突き進んでいた。そんな時代の中でも、落合文は幼なじみの長内梓を愛していた。文と梓は同じ高校に入学したばかりのクラスメイト。でも幼なじみの関係から何の進展もない。空手道場の家で育った梓は試合に出れば勝ちまくることができたが、気が弱く引っ込み思案な性格で現在は空手から距離を置いている。
そんな梓が突然茶髪になって現れた。母親に暴力も振るったという。戸惑う文。いつものように学校に向かうが、梓はケンカを売ってきた不良の上級生たちを返り討ちにする。梓に好きだと告白され、勢いで自分もそうだったと告白した文。だが梓にセックスしようと誘われ、目の前にいる梓が自分の知っている梓と正反対の人間だと思い知らされ、文は傷つく。文は学校に行くのをやめて家に引き返す。部屋にもう一人の自分が現れ文を襲った。もう一人の自分は文自身の影だった。影は文の体を乗っ取ろうとしていた。今日の梓は彼女の影だったと気づく。なんとか影を撃退し、文は梓に会うために学校へ向かう。
教師たちに学校から追い出された梓と出くわした文は、自分が愛していた梓が今は影にされていることを知る。文は影を地面から引っ張り出して、元の梓を復活させることに成功した。梓は、影は正反対の自分などではなく、見せたくなくて隠していた本当の自分だという。だから、梓の影が文に告白したのは、今まで自分がしたくてもできなかったことを影がやってくれたにすぎない、ということだった。
両想いだったことを知り、恋人同士になった文と梓。梓の両親も二人の交際を認めたが、梓の母の歩は「いつか梓を見捨てるなら、今別れてほしい」と文に迫る。そのとき文は、幼いころ自分を暴行して生死の境をさまよわせた犯人が梓だったことに気づく。その事件のあと大人たちは梓を文から引き離そうとした。幼い梓は文から離れたくない一心で自分の体を影に明け渡した。それ以来梓は気の弱い引っ込み思案な女の子に生まれ変わった。長年見てきて好きになった梓の方が偽物で、乱暴者の梓こそが本当の梓だった……。
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森葉月(もりはづき)は地域で二番手校の沼津海星館高校の一年生、そして勉強にも部活にも人付き合いにも興味のない底辺女子。
彼氏どころか友達も一人しかいない。
そんな底辺の生活でもそれなりにエンジョイしていたが、唯一の友達・遠藤比呂美(えんどうひろみ)に絶交されて、さすがの葉月も戸惑った。
しかも、密かに片想いしていた相手の杉野疾風(すぎのはやて)が自分のことを性格がブスだと言っているのを聞いてしまう。
私はそんなに不幸じゃないと言い聞かせて学校に通い続けるが、よりによって疾風と二人で図書委員の仕事を一週間することになった。
葉月本人も気づいてない魅力に疾風は気づく。
疾風は交際を申し込み、葉月も勢いで同意する。
リア充男子と底辺女子という究極の格差カップルが誕生したが、格差がありすぎて自信喪失気味の葉月。
それでも初めてのデートも経験し、二人の距離は確実に縮まっていく。
でも、疾風を密かに想う比呂美。
葉月に疾風はもったいないと二人を別れさせようとする疾風の弟たち。
次から次へと恋の障害が立ちはだかる。
最大の難関は葉月の母。
葉月の母は二人の交際に全面的に賛成しているが、葉月のスマホにスパイアプリを仕込んで疾風のことを調べ上げる悪魔のような母親だ。
疾風の祖父の喜一郎(きいちろう)の画策により、疾風は囲碁六段の葉月のために学校に囲碁同好会を発足させようと活動を開始した。
新入会員集めに苦戦する中、立花吉歌(たちばなきっか)と星林檎(ほしりんご)というまた一癖も二癖もある新入会員を、友達が一人もいない葉月が見つけてきた。
夏休みになる前に、比呂美も含め五人の会員がそろい囲碁同好会が正式にスタートした。
初陣は9月から始まる新人戦の県大会。
葉月の目標は県大会を勝ち上がり全国大会に出場すること。
吉歌に結婚を迫られたり、母が疾風を家に連れてきて薬で眠らせたり、平和にはほど遠い日々を送りながらも、葉月たち五人は大会に向けて着実に前進していく。
そして秋、葉月たちの初試合の日が来た。まず県大会団体戦。相手は夏の選手権で県大会を制し全国大会に出場した沼津第一高校。
強敵すぎて落ち込む比呂美たち。でも立ち止まっている暇などなくて、葉月たち三人は難敵との初戦に挑むのだった。0クル
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