もしも世界から私だけ消えたとしても (外部サイトで読む

清水 幸

 筒井奈津は高校二年生。友達も多く誰もがリア充だと思っているが、本人にはそれほど充実感はなかった。
 奈津はクリスマスイブのデートで流されるように大学生の黒瀬悠樹との初体験を済ませた。その日の夕方、パンケーキ屋の行列に並んでいてクラスメートで緘黙(話せない障害)の本郷和馬と出くわしたが、奈津は和馬に対する悠樹の言動に幻滅した挙げ句、悠樹とケンカ別れしてしまう。泣き崩れる奈津を和馬は放っておけなかった。
 和馬に家まで送ってもらう途中、脳裏に昼の出来事がよみがえり、奈津は過呼吸の発作を起こし倒れた。その日、奈津が悠樹に強いられた性行為は優しさや思いやりのかけらもない自分勝手なものでそれがトラウマになっていたのだった。
 奈津は救いを求めて、友達になった和馬に自分がされた理不尽な行為のすべてを打ち明けた。和馬はそれを聞いて、ただ泣いてくれたのだった。

(登場人物)
筒井奈津(つついなつ)…主人公。高二。
筒井雄太(つついゆうた)…奈津の弟。中二。
本郷和馬(ほんごうかずま)…奈津のクラスメート。緘黙。
本郷羽海(ほんごううみ)…和馬の妹。中二。
吉田沙羅(よしださら)…奈津のクラスメート。
黒瀬悠樹(くろせゆうき)…奈津の元恋人。大学生。
広河隆子(ひろかわたかこ)…奈津のクラスメートで沙羅の手下。

  • 重要なフレーズ

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    思いやり
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    黒瀬悠樹
    ひろかわたかこ
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