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今、世界には異変が起きている。
伝説上に登場する動物や人、それらを生み出す太平洋に現れた大陸、能力者――。
本来あるハズのないモノがこの世に存在してしまっている世の中。
それを人類の危機と察した各国の首脳は、能力者+αで構成された《討伐隊》とそれを育成する学校を設立し、毎月のように例の大陸――未だに正式な名称がないので日本では『幻想大陸』と呼んでいる場所――へ討伐隊を送り込んでいる。
少年――宮本小次郎は討伐隊に入りたいと思っていた。ある目的があったからだ。
しかし、彼には能力が無かった。所謂、無能力者と呼ばれる劣等人種だ。
故に救済措置として、無能力者は5歳の時に身体へ魔法液というモノを投与し、魔法を使えるような身体にされる。だが、小次郎は何も出来なかった。
無能力者でも魔法が使えれば今の完全能力者社会に適応出来る?
――そんな事は無い。現実は甘くないのだ。
確かに小次郎は魔法を使えるような身体になった。
だが、それだけだ。
魔法液を投与した研究者も、投与された無能力者も、その肝心な魔法の使い方が分からない。
結果、彼は虐められた。
何も出来ないからと能力者達は無能力者を見下した。
そんな世界を彼は当然憎み、怨んだ。
だが、ある日を境に小次郎は魔法が使えるようになった。
それからはもうずっと魔法の勉強しか彼の頭にはなかった。ある目的を果たすために、必死に努力した。
そしてその末に彼は目的の第1歩となる学校――『天野学園』の入学試験に合格したのだった。0クル
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