「始めに言っておくが、俺が君を愛することはない」
初夜の晩。寝室に訪れたルース王子は、冷たい声でベルリアに告げた。
隣国から嫁いできた孤独なベルリアを突き放すような、ルース王子による数々の冷遇。相手を呪うスキルを持つベルリアは、夫を怖がらせてやるために『余命3ヶ月の呪い』を掛けた。
「……余命3ヶ月の呪いをプレゼントします。束の間の安息をお楽しみ下さい……ルース殿下」
夫が泣いて謝ってきたら、呪いを解いてあげてもいいと思ってたのに。どういうわけだか、事態はこんがらがっていく…
「俺を解放してくれてありがとう、ベルリア。健やかに生きられるなら、3ヶ月で十分だ。こんなに幸せだと思ったことは、今まで一度もない!」
これまでしかめ面ばかりだったルース殿下は、余命3ヶ月を受け入れて幸せいっぱいな余生を送り始めてしまった。
「ちょっと殿下、正気ですか!? 呪いを解かなきゃ、あなた3ヶ月で死んじゃうんですよ!?」
「もちろんだよ。ベルリア、どうか最後の一瞬まで俺と共にいてくれ」
夫の呪いを解きたい妻と、解かれたくない夫の、こじれた溺愛生活の行く末は……?
※ゆるっと読めるハッピーエンドです。
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