忘れられないそこへもう一度

さいとう みさき

誰にでもその昔思い出したくないことはあるものだ。
しかしそれを避けて通れないこともある。
故に私は重い足を一歩前に出して列車に乗る。

そしてあのころと変わらないそこにたどり着く。

当時と変わらぬそこは、私に当時のトラウマを思い起こさせる。
しかし私もいつまでもあの当時のの私ではない。
そう、心に強い意志を宿し私はそこへ入ってゆくのだった…… 

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