AIロボットにより支配された日本。
そこで人はAIによって知識や選ばれた相手と恋をするように教育され、AIのために生まれて死んでいくということを余儀なくされていた。
その社会に人間性というものは全く無くなっていて、全てはAIにとって最高の人間を生み出すための社会となっていた。
その一方で、『裏東京』という異世界があった。
それは明治時代に西洋文明を受け入れるにあたって、時代にそぐわなくなった日本古来の妖怪たちを隔離するための世界であった。
元々は妖怪たちが住む世界として作られた『裏東京』であったが、AIロボットに支配された世界から移り住んだ人間も加わり、AIに支配される前の人間が人間らしくあった世界になっていた。
妖怪たちは表の世界がAIロボットによって、人間らしさを失われることを憂慮していた。
何故なら、妖怪たちは人間の『想い』によって生み出されるからである。
『裏東京』に住む妖怪の一人、座敷わらしの虚木霊子(うつろぎたまこ)は、人間らしさの失われた表の世界をAIロボットから取り戻すために、『解放者(レジスタンス)』というチームの一員として、AIロボットの支配を取り除くべく日々、戦い続けていた。
ある日、彼女は綾樫千鳥・雪乃の兄妹がAIロボットに襲われている場面に遭遇する。
彼らを助けた霊子は二人を『裏東京』へと招待する。
AIの支配に慣らされ続けてきた二人は、『裏東京』の普通の生活に戸惑いながらも順応していき、普通に学校で勉強して、恋愛をするという、ごく当たり前の生活を過ごすうちに、『裏東京』の為にAIロボットと戦う決意をする。
しかし、妖怪の力を持つ妹に対して、兄はごく普通の人間であった。
それでも霊子の力になりたいと願った千鳥は罠とも知らず、地域統括AI(ブラザー)に襲撃をかける。
罠にはまった彼を逃がすため、身代わりとなった霊子は自分の死を覚悟する。
しかし、彼女を失いたくないという強い思いが千鳥の妖怪としての力を引き出し、無事に彼女を救い出す。
お互いがお互いを大切に思っていることを確認した二人は、共に未来を歩んでいくことにするのであった。
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