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はせがわはにこやかな顔をしながら言う。

(そうですか、わざわざさえぐさの町からいらっしゃ

いましたか、それはご苦労様です、では、ご案内い

たしますのでこちらへどうぞ・・・・・・)

そういって3人は本堂に行った。

本堂には今日の相談会のために椅子とようかん、

温かいお茶と相談者の悩みを書いてもらうノートと

ペンがあった。本堂には石油ストーブが置かれ暖か

かった。

こんどうはとりあえず深呼吸をすると落ち着きを取り戻した。

こんどうは椅子に座ると回りを見渡す。

心のなかで呟いた。

(あれ、たしか相談会は2時半からやるって言ってた

な、誰もいないけどまさか俺だけって事はないよ

な、大丈夫かな、やっぱり来なければよかったな)

そんなことを考えていると、ヨウがお茶とようかん

を持って来た。

ヨウ

(、こちらをどうぞ・・・・・・)

と言って温かいお茶をだす。

こんどうは(はぁっ)と言いながらコップを取るとゆっ

くりと温かいほうじ茶をゆっくりと飲んだ。

体が冷えていたので、温かいほうじ茶は美味しかった。

はせがわは軽い机を持ってきていう。

(すみません、こんどうさん、ちょっといいです

か・・・・・・)

と言ってこんどうの椅子の横に置いた。

机の上にはペンと相談者の悩みを書くノートが置いてあった。

はせがわ

(こんどうさん、今日の悩み事を相談される前に書い

ていただくノートです。すみませんがご記入をお願

いします・・・・・・)

こんどうはほうじ茶を飲みながら不安な顔をして言う。

(あの、すみません、今日の相談会2時半からですよ

ね、他の相談者の方々が見当たりませんが、まさ

か、私一人しかいないんですか・・・・・・)

それを聞いたはせがわとヨウは焦った顔をした。

はせがわは言う

(すみません、こんどうさん、じつは先代の住職の時

にはいろいろな方がこられたのですが、亡くなりま

して・・・・・・今の住職はその方の息子さんなんです、

新しい住職の相談会は今日が初めてでしてそ

の・・・・・・)

こんどうは嫌な顔をしながら言う。

(新しい住職、今回が初めて・・・・・・、すみません、今

日の相談会なかったことにしてください、帰ります

ので・・・・・・)

3人はしばらくのま、無言だった。

ヨウは必死な顔でこんどうに言う。

(こっ、こんどうさん、たしかに今の住職はこれが初

めてかもしれません、たしかに今はあなた一人です

が絶対後悔させませんから、住職と話してくれませ

んか、お願いします・・・・・・)

こんどうは心のなかで言う。

(おいっ、おいっ、おいっ、冗談じゃないぞ、こんな

遠いところまできて、それにお願いしますっ

て・・・・・・)

こんどうはため息をついて言う。

(はぁー、本当に、本当に大丈夫なんでしょう

ね・・・・・・、まあ、せっかく来たんだし話しますけ

ど・・・・・・)とこまった顔をしながら言った。

はせがわとヨウは(すみません)と謝った。ヨウは言う。

(ところでこんどうさんの悩み事って何ですか)

こんどうは暗い顔をしながら言った。(まぁ、住職さ

んと話をする事にはなったけど、まあ、いいか、じ

つは相談したい内容なんですがこんなことです、

今ある会社で働いているんですが仕事の上司にイジ

メを受けていまして・・・・・・それでどうすればいいの

か聞きに来たんですよ)こんどうは顔を青ざめながら言った。

ヨウとはせがわは困った顔をしながら(それは大変で

すね)と気休めの言葉しか出なかった。

こんどうはペンとノートをとって悩

み事をかきはじめた。

書き終えると(ファーっ)と言っては

せがわにノートを渡した。

はせがわ言う。

(ありがとうございます、こんどう

さん、では、私は住職の所に行き

ますので、しばらくお待ちくださ

い)と言った。

住職であるかなぎは6畳簡素な部屋にいた。

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