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不気味な男

雷が鳴り響いていた。

家路に急ぐ人たちが慌てて走り回っていた。

この中に黒いローブをきた筋肉りゅう

りゅうの男がドクロの飾りを着けた杖

を持ちながらゆっくりと歩いている姿

があった。

男は空を見上げると、ニヤリと笑った。

この大雨のなか、人々が急いで歩いて

いるのにニヤニヤしながらゆっくりと

歩いていたからだ

この男のフードに模様されているものを見ていた人たちは誰しもが恐怖した。

それは悪魔を崇拝し、自分は黒魔術師

であると言うことをあかす、メザイヤ

教のシンボルであったからだ。

家路を急いでいた運の悪い男性が紋章

の男に当たってしまった。

当ててしまった男は自分の不運を呪いながら謝る。

(すっ、すみません、急いでいたので)

ぶつかった男を紋章の男がまじまじと

見ると、ぶつかった男は恐怖で声をあ

げる

(ヒッ・・・・・・)

ぶつかった男が見た顔は笑っており

その顔は常軌を逸脱した顔だったからだ。

紋章の男は言う。

(邪魔だ、どけ・・・・・・)

と紋章の男はぶつかった男の首を掴む

と力任せに投げ飛ばした。

な蹴飛ばされた男は恐怖のあまりうず

くまっていた。

紋章の男はきびすを返してまたゆっく

りと歩きだした。

歩き出すとこの町で死んだいろいろな

魂たちの声を紋章の男は聞いた。

苦しいよ、助けて、何でこんな目に遭うんだ)

と亡者たちの悲痛な叫び声が木霊した。

しかし、この声は紋章の男しか聞けなかった。

紋章の男は当たりを見回すと霊視をした。

本当に不幸な亡者たちが悲壮な顔をしているのを確認すると、紋章の男は笑った。

町を出て街道を歩いていくと、不気味

な森に道があり、ゆっくりと紋章の男

は森の中へと入っていった。

数十分歩くと、一人の醜い女性が紋章

の男を見て立ちすくんでいた。

女性は紋章の男に言う。

(死ね、死ね、死ね・・・・・・・・・・)

紋章の男はニヤニヤ笑いながら恐怖に

満ちた女性に言う。

(醜い女よ、お前はどうしてそこまで醜くなったのだ・・・・・・)

と明らかに女を挑発した。

女性は心底驚きながら言う。

(お前は、私の事が見えるのか・・・・・)

紋章の男は言う。

(あー、見えるとも、声も聞こえるな、

ぶざまなお前たちを俺は何度も見てる)

それを聞いた女性は怒り狂いながら言った。

(ぶざま、ぶざまだと、何様のつもりだ、お前なんか死ねばいい・・・・・・)

と言って、女性は紋章の男に襲いかか

った。

だが、女性は知らなかった。紋章の男

の正体を。女性は一生後悔するはめに

なった。

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