第一話 朝の日課
ピピピピピ……
枕もとでアラームが狭い部屋の中を鳴り響く。
俺はいつものように手を伸ばしてアラームを止め、時間を確認する。
午前6時ちょうどだ。
いつものように少し高いベッドから起き上がり、階段を降りた。
「おはよう」
台所からお母さんの声が聞こえた。
「おはよう」
呟くように返した。
「相変わらずあんた朝は元気ないわねー」
「朝っぱらから元気ある奴なんていないだろ」
「お母さんなんて朝から晩までずーっと元気よ!」
「はいはい」
我が母親ながらよく朝っぱらからこんなに元気があるなーと思う。
正直朝でこのテンションは少しうざい。
そんなことを思いながらいつものように洗面台に向かい、顔を洗い、歯を磨く。
これが終わると、けっこう目が覚めてくる。
リビングでカーペットに座り、テレビを付ける。
そして朝のニュース番組を見る。
これがほとんど数年間変わらない俺の朝の日課だ。
そしていつものようにニュースを見ていると、あるニュースが俺の気分を悪くさせる。
「またこの事件かよ……」