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幕間 王都では・・・・・・

 キャロルがマイペースに修道院生活をしている頃、シュートハルト王国の王都にある城の一室で会議が行われていた。
「・・・・・・では、キャロル嬢にかかっている罪状は全て冤罪である、という事ね?」
「はい、関係者に話を聞いた所キャロル様がミレイア様を虐めたり嫌がらせをした、という事実はございません。どちらかと言うとキャロル様は家では使用人の様な生活をしていた様です。」
 王妃エメレルは報告を受けて溜め息をついた。
 今、行われている会議は月に1回行われる定期会議で、この日の議題はキャロルの婚約破棄に関する事、更に修道院の件に関してである。
「はぁ~・・・・・・、こんな本格的に調べたら埃が出てくる様な計画をよく行動に移せたわね。」
「全くです。キャロル様の重要性を家族が理解していないとは、全く情けない話です。」
「彼等がやった事はこの国の利益を損なう重大な過ちですぞ。しかも、王太子様も加担していたとなるとこの国を揺るがしかねない案件です。」
「王妃様、厳しい判断が必要と思いますが。」
「えぇ、既に私の中では決まっているわ。国王様にも許可はとってあるわ。でも、その前に一応チャンスを与えるつもりよ。」
 会議の出席者からは口々に厳しい処分を求める意見が出たがエメレルの言葉に眉間に皺を寄せた。
「問答無用で断罪するより一旦希望を与えて罪を自覚させた方がダメージは大きいと思わない?」
 そう言ってニヤリと笑うエメレルに出席者達はエメレルの意図を汲み取った。
「この件は私に任せて貰うわ。次は修道院の件に関して報告を。」
「はい、調査した所、全体の4割が名前だけで存在していない施設である事が判明致しました。更に6割の中には人身売買をしている修道院や孤児院がありました。」
 この報告に会議室はざわめいた。
「修道院や孤児院を管理しているのは『教会』よね? 彼等は何をやっているのかしら?」
「どうやら、教会の一部の幹部達が私利私欲に走っている様です。」
「速攻に誰か調べなさい。教会と言えども目に余る行為は厳正に処分するわ。」
「わかりました。」
 エメレルはスクッと立ち上がった。
「私達は長い平和の中、なぁなぁでやって来た事が今、こうして問題として表面化している。今一度引き締め直す事が必要だと思っているわ。厳しい態度で事を進めるように。」
 エメレルの発言に出席者は固い表情で頷いた。 

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