18.オーク2
オークとゴブリンが離れるのを待つこと15分。
やっとゴブリン達がオークから離れた。
戦闘中は危険なため、ウィルを離れたところで待機させる。
さて、どうやってオークを倒そうかな。
3体とも武器はこん棒だ。
感じとしてはデブの大男と戦う感じなのだろうけど……
とりあえず弓で様子を見るか。
距離は40メートル。
俺はオークめがけ弓を射る。
今では弓の腕もなかなかのものである。
ヘッドショットを百発百中とは行かないけど7割りは当てられる。そしてただた的を射るだけなら百発百中である。
それにオークは的が大きい外す訳もない。
射った弓はオークの腹目掛け真っ直ぐ飛んでいった。
だが、矢は刺さり切らなかった。
刺さっては射るんだが奥まで刺さっていない。
確かに皮膚は硬いようだ。
「ブギィィィー!」
突然矢が刺さったことでオークは驚くと同時にかなり怒っていた。
俺は素早く次の矢を用意し、先ほど当てたオークの頭目掛け落ち着いて射った。
矢はオークの頭目掛け飛んでいき刺さった。
今度は奥まで刺さったようだ。
どうやら、頭の皮膚は硬くないようだ。
刺さったオークは倒れ苦しそうにしている。
仲間のやられた姿を見た残りの2体が、矢が飛んできた方向に向かってきた。
俺はもう一度矢をセットし頭目掛け射る。
その矢がまた頭に当り、オークが倒れる。
残りの1体にも矢を射りたい所だったが、距離を詰められもう矢を射る時間がない。
そこで、弓を捨て剣に持ち変える。
オークは走りながらこん棒を振り下ろしてきた。
それを俺はかわす。
当たらなかったこん棒は地面にヒビをいれた。
パワーもあるようだ。
この攻撃を食らうと1発で死ぬかもしれない。
うーん、防具もちゃんと揃えないと今後厳しいかもな。
1発食らうだけでゲームオーバーとか鬼畜すぎる。
でもかわせない攻撃ではない。
ていうか、攻撃パターンが単調過ぎて簡単に攻撃を読むことが出来る。
華麗な足さばきでオークの攻撃をかわしていく。
オークは攻撃が当たらないことにイラついてきている。
しばらくかわしていると、段々とオークが疲れてきて、攻撃のキレも落ちてきた。
そこを付け狙い、攻撃をかわし懐に入り込み腹を斬る。
「ち、浅いか。」
硬い皮膚に遮られ完全に斬ることは出来なかった。
懐に入り込んだ俺にこん棒が振り下ろされる。
それをかわして背後に回り込み背中から突き刺す。
突き刺した剣は貫通した。
オークの皮膚は斬るより刺す方が攻撃が通りやすいようだ。
それを引き抜くとオークは倒れた。
まだ辛うじて息があるので止めをさす。
残り2体は頭を矢で射られながらも立ち上がっていた。
しかし重傷であることに変わりはない。
オークに近づいていくと、1体が苦し紛れにこん棒を振り下ろしてきた。
それを避け、心臓に剣を突き刺す。
残りの1体の目には怯えが見える。
戦意を失った敵を倒すのは簡単だ。
すべて倒し終わるとオークの耳を剥ぎ取った。
これが討伐証明になる。
「そういえば、倒したオークはどうやってギルドまで持っていけばいいんだ?」
それを考えてなかった。
倒したオークは売ればお金になる。
ゲームとかだったら都合良く魔法のバッグとかがあって、何でも収容出来る!的なのがあるけど、そんなの都合よく有るわけないし、有ったとしても高価だろう。
困ったな。
解体して持っていくという手もあるけど、解体のやり方を知らない。
無理に解体して肉をダメにしても困るし。
まぁいいや。
一度帰ってエルミアさんに聞いてみよ。
「ピイー」
口笛でウィルを呼ぶと少ししてウィルがやって来た。
「帰るよ」
「ウォン」
そうしてギルドまで戻った。