贈物
リィーグルはいそいそと買い物を済ませて行く。
私はその後を見失わないようについて行った。
「えーと、他に買う物はあったっけ?」
一人リィーグルはつぶやいていた。
メモを見ながら、きょろきょろとあたりを見回している。
と、急に私の頭にぽんっとてをのせ
「・・・。ディメル、なんか欲しいものでもないか?」
「・・・」
ポンッと頭に手を乗せるのは、彼の癖なのかな?
あ、もしかして気づいていた?
私が落ち込んでいるって?
上目遣いの私に、彼は続ける。
「いろいろ考え込むのはよくないって言っただろ」
「・・・。あ、は・・・い・・・」
あ。また、敬語になっちゃった。
「そーだ。あれがあればよく寝れそうだな」
と、急にリィーグルは駆け出して行った。
???
そしてあるお店に入っていく。 おもちゃ屋?
彼の入って行った店にはたくさんのおもちゃがある。
「はい。これで、夜も安心して眠れるだろ?」
・・・・・・・・。
彼が私に渡したのは大きなクマのぬいぐるみ。
私はそんなに子供なんだろうか?
リィーグルの目には私は子供でしかないのかな?
「ありがとうございます」
とりあえず、お礼は言わなきゃね。
「ありがとう、でいいよ」
リィーグルが訂正する。
「・・・ありがとう」
何だか、わからない感情が私を支配している。
嬉しい・・・。のかもしれない。
あの時と同じ。
リィーグルが私の記憶を探してくれると言ってくれた時と・・・
これが嬉しいって気持ち?
これが楽しいって気持ち?
「クススッ」
不意に笑いがこぼれる。
「なんだ?」
リィーグルが驚いた顔で私を見る。
「何でもないです」
あ・・・。また敬語。
「何でもないっ」
私は訂正される前に言い直した。
なんだか。ワクワクする。
こんな気持ち始めて。
胸の中が暖かい。
安心・・・この人の傍は危険じゃない。
私は知らず知らずのうちにリィーグルの手を握っていた。
リィーグルは何も言わず、手を握り返してくれた。
フフフッ
なんだか、心地良い。
リィーグルとずっと一緒にいたい。
ずーと・・・・