新薬
2011年4月 東京 北東アジア製薬本社
「課長例のデータ揃いました」
「そうか、ご苦労だったな工藤君どうだった?上手くいきそうか?」
「それが、ハムスター等の小動物では上手くいっていたのですが、霊長類に治験対象を移した途端、対象が血糖値のコントロールが不可能になり死亡しております。課長ここは時間がかかっても慎重な見極めが必要かと思います」
「何を言ってるんだ!このプロジェクトにうちの命運がかかっているんだよ!厚労省の天下り共も毎日いつなんだと矢の催促だ!いいな、なんとしても最終治験に間に合う為、データを絶対出すんだいいな!!!データさえ出せば後は上がうまくやってくれるんだ」
「はっハイ!」
どうしたらいいんだろう、もうこうなったらデータを……血糖値のデータを別のものに差し替えるしかないか。
2012年5月
次のニュースです、今日13時ごろ東京本牧ふ頭で男性の水死体が発見されました。持っていた身分証から男性は製薬大手北東アジア製薬勤務の工藤 公人さんと確認されました。警察は事故と犯罪の両面から捜査を始めています。