04
「フレイムアーム」
リトルサマーキッスの腕が炎となりジルを襲う。
ジルは呪文の詠唱を止めその攻撃を避ける。
「ああん?呪文の詠唱くらいさせろよ!」
「貴方は、誰と戦っているんですか?」
リトルサマーキッスの問いにジルは答える。
「誰ってトマトの化け物」
「そうですね。
僕はトマトの化け物」
ポックリにはその表情はわからない。
だけど、どこか淋しげに感じた。
「ってことで呪文の詠唱完了!
焼きトマトになれよ!
ファイア・ガン!」
ジャキがそういって魔弾をリトルサマーキッスにぶつける。
「熱いですね」
リトルサマーキッスがそういった瞬間。
リトルサマーキッスの身体が一気に燃え上がった。
「熱いですむわけがないだろう?」
「熱いですね」
リトルサマーキッスがもう一度そういった。
するとリトルサマーキッスの頭に水が滝のように落ちてきた。
「水?」
ポックリが驚く。
「子ども相手に3対2で戦うなんて大人げないと思ってみたら相手も子どもでしたか」
白のスーツを着たダンディーな老人が現れる。
「なんだ?テメェは!」
ジルがその老人を睨む。
「私ですか?私の名前は、おじやビンゴ。
酒場・ダンディーのマスターでございます」
「聞いてねぇよ!」
ジルが、おじやビンゴを刀で斬ろうとした。
しかし、刀がおじやビンゴの身体に弾かれ折れた。
「鍛錬が足りませぬね」
おじやビンゴがそういってジルの身体を蹴り飛ばす。
「痛ッて!クソジジイが!
3対3になったつもりか?
悪いな、俺のギルドの連中が来たぜ?」
ジルがそういって笑う。
「そうですね。
それがどうかされましたか?」
おじやビンゴがそういって自慢の髭を伸ばした。
「ああん?お前らが死ぬってことだよ!」
「そうですか。なら指切りをしましょう」
おじやビンゴが指を鳴らす。
するとおじやビンゴの指から血が流れる。
「指切り?」
ジャキが首を傾げる。
「指どころか首を切ってやるよ!
やれ!テメェら!」
ジルが、そういって団員に指示を出す。
団員たちは軽く返事をしたあと、おじやビンゴに攻撃を仕掛けた。
「狙えば必中!当たれば即死!
おじやビンゴビーム(みねうち)ですぞ!」
おじやビンゴの指先から光線が出る。
光線があたった団員たちはその場で倒れていく。
「なんだと?」
「みねうちなので死人は出ないと思いますが、そのへんは運ですぞ!」
おじやビンゴがそう言って笑った。