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あとがき

 まずは感謝を。
 作品を通しての感想として、『なぜ書かなかったのか。』と言われる事がありました。
 概要にも書いた通り、何文字あれば伝わるか、を考えては書き直し。

 タイトルのゆらは鈴音であり、名前であり、そして動きでもある。

 1話から3話までの冒頭は『 音 』を書こう、と決めておりました。
 現代では、あまり使われない用法かもしれません。

 ですが、書きたかった。書いてみたかった。

 書きたいモノを柵《しがらみ》無く書く……難しいように見え、そして書き辛いモノです。
 音《《を》》表現する、音《《で》》表現する、そして音《《が》》表現する。
 作者であるならば、やってみたくなるかもしれません。私のように。

 舞台は『 昭和の夏 』としました。
 たくさんの命を失いました。たくさんの命を知りました。涙が枯れた時代でありました。
 昭和の夏を経験させたい、とは思いません。

『ここに文を追加するならば、どう書くだろう。』

 考える読者がいたとすれば、そのための糧となれば本懐です。

 最後に、
 読者が文字を知り、文字を綴り、そして大作を遺す作者となる事を切に願います。

しおり