第20話:飲み込まれた結果
「ううぅ‥‥‥ここはどこだ?なんか大切なことを忘れているような‥‥‥」
頭を打ったせいか大切なことを思い出せない俺はこの謎の場所を探索することにした。が、明かりがないせいか真っ暗だ。どうしよう‥‥‥そうだ!!
俺は『【アイテムボックス】から光石を取り出して魔力を込めた。すると光石は黄色く光った。
あ、これは黄色の光を出す光石だったか。外見からじゃあ何色に光るか判断できないな。まあ、明かり代わりにさえなれば色なんてどうでもいいけど。
とりあえず、これなら探索できるくらいの明かりは確保できるな。俺の周りしか明るくないけど。
しかし、明るくなったからわかったけど‥‥‥床、ピンク色だな‥‥‥なんか気持ち悪すぎて嫌悪感すら抱いてきた。早くここから脱出しよう。
上に居るであろうスラ君も心配だし‥‥‥また、
っと、今はスラ君の心配より自分の心配をしないとな。俺は光石の光を頼りに探索を始めた。
探索を始めてからすぐに2つの穴を見つけた。残念なことに奥は見えないためどちらか一つを選ばないといけないようだ。
「んーとりあえず右に行ってみるか」
俺は右の穴に入って行った。
「しかし、このピンク色の壁(?)を見ていたら気が狂いそうだ。気持ち悪すぎて」
俺が右の穴に入ってから暫く経った頃、また穴を見つけた。手前に左右1個ずつ、その奥に左右1個ずつ、その奥の更に奥に左右1個ずつ、その奥の更にーーといった具合だ。流石に一番奥に行きたくないから俺は手前の方の左の穴に入った。
俺がその穴に入って暫くした頃、また穴を見つけた。しかも今度はさっきの比ではないほど多い。俺はもう面倒になって適当に穴に入った。その穴に入って暫く経った頃、また同じことが起きた。
「‥‥‥なん、かいだよ‥‥‥何回俺はこんなことを繰り返さないといけないんだ!?」
「流石に我慢の限界だ‥‥‥くそがああああああああああああああ」
俺はこの言い知れぬ鬱憤を晴らすために腕を振り回して叫んだ。やがて叫び疲れた頃、俺は腕を振り回していたせいか、フラついてしまいピンク色の壁に爪を差し込んでしまった。
あ、ヤバイ。俺がそう思うと同時に外から『ギョエエエエエエエエエエエ』という叫びが聞こえた。
その叫び声を聞いた俺は頭痛がした。すごく、みみ、ざわりなこ、えだ‥‥‥。
やがて頭痛が治まった俺はすべてを思い出した。
「そうか‥‥‥俺は巨大な魚に飲み込まれたのか。さて‥‥‥とりあえずこいつを殺すか」
俺は飲み込まれたことと床にある液体ーー多分、消化液ーーを踏んで汚れてしまった鬱憤を晴らすためにピンク色の壁を殴った。
すると、外から『ギョエエ』という悲鳴が聞こえてくる。やっぱり、この中はあの魚の体の中か‥‥‥遠慮することないな。
俺はありとあらゆる手段を用いてピンク色の壁を攻撃した。殴る、蹴る、爪を突き刺す、齧り付く、ーーこれは齧った瞬間に嫌な気分が下から1回でやめたーー『
口から火を吐くのって‥‥‥楽しいな!!
「本日はこちらのピンク壁を料理していきます」
「先生、まずは何をしますか?」
「そうですね‥‥‥まずは切り刻みましょう。この私の爪を使って」
途中からは気でも狂ったのか、一人で料理番組の真似をし始めた。確実にピンク壁のせいだ。ピンク壁のせいで俺は気が狂ったんだ。
あと何故か、【鑑定】が発動した。以下は鑑定結果だ。
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【
魚型のモンスター。
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相変わらず【鑑定】さんは仕事をしませんでした。
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名前:-
種族:
性別:オス
年齢:10歳
Lv:12
職業:-
HP:1900/3190
MP:90/90
属性:-
称号:【誘う者】
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あ、意外と強かった‥‥‥というか、HPは俺よりも上じゃねーかよ‥‥‥。
ーーというか‥‥‥さっきから体を揺らしているのか知らないけど、俺は足でしっかり踏ん張っているから離れたりしないことをいい加減に察しろよ。
そんなことを考えながらも攻撃の手を弱めなかったせいか、体が揺れることも少なくなった。
「もう瀕死か‥‥‥」
「俺を飲み込んだことを後悔しろ」
俺はそう言って
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【
HP:0/3190
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