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ずっしりと、重たいものがお腹の辺りに積み上げられていく。
体が重い。
僕は、ゆっくりと目を開けてみた。
「瞳、何をやっているの?」
「真白が起きるまでお腹の上に本を乗せて行こうかなと思って……」
視線を下に移すと、高く積み上げられた本が沢山乗っている。
「どうして、普通に起こせないの?」
「今日デートでしょ?
時間大丈夫?」
「今、何時?」
「10時」
「あー!!!
どうして、もっと早く起こしてくれなかったの!?」
「えー?
私のせい?」
「……ねぇ。
体が動かない。
本をのけてくれるかな?」