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「なぁ、結城」
キャッチボールをしながら、菊池が話しかけてきた。
「ん?」
「今日も、昨日の子くるのか?」
「澪の事かな?」
「うわ、もう名前で呼び合う仲なのか?」
「いや、向こうは、『お兄ちゃん』と呼んでるけど……」
「今日、その子が来たら俺に紹介しろ」
「なんで?」
「俺のこともお兄ちゃんと呼んで貰えるようにする……」
「却下……」
「もしかして、既にそう言う関係とか?」
「どんな、関係?」
「凸と凹の関係……」
僕が投げたボールが、菊池とは全く違う方向へ飛んでいく……